研究課題/領域番号 |
18H03321
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
中村 剛士 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90303693)
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研究分担者 |
松原 茂樹 名古屋大学, 情報連携統括本部, 教授 (20303589)
吉川 大弘 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20303753)
永田 雅子 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 教授 (20467260)
ジメネス フェリックス 愛知県立大学, 情報科学部, 助教 (60781507)
加納 政芳 中京大学, 工学部, 教授 (90387621)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 発達障害 / 教育支援 / ロボット |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,発達障害グレーゾーン児童の自己肯定感・自尊感情育成を目的とした教育支援ロボットの研究開発を行うことである. 当該年度に行った研究成果としては,プロトタイプロボットを用いた実験を実施したことである.今回の実験では,音読教育支援を対象として,教育支援ロボットを用いた音読教育支援実験を行った.実験はベース実験とロボット実験の2種類を行った.ベース実験は,ロボットを用いない音読実験であり,ロボット実験はロボットを用いた実験である.二つの実験結果を比較することで、ロボットを用いた際の教育支援効果について評価した. ベース実験と比較してロボット実験では,句読点で正確に停止する割合が増加していることや,誤読数が減少する傾向があった.この結果は,ロボットによる音読教育支援が一定の効果を上げた可能性を示すものである.また,実験後アンケートでは,ロボットと実験に対する印象は好意的であった.対話型教育支援ロボットにおいて,印象が良いことは重要であり,今回のロボットの外観や実験方法は不適切ではなかったと思われる.他方,今回,ベース実験後にロボット実験を実施しており,この順序によって評価項目に違いが現れた可能性は否定できない.正当な評価のためには,ロボット実験後にベース実験を行うことで順序効果を薄くすることが必要である.また,実験参加者数が教育効果の検証においては十分とは言えないこともあり,統計的な分析は今回実施できていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験協力者として定型発達児童を採用した実験を実施し有益な結果が得られていること,実験においてプロトタイプロボットに不具合が出ていない.以上のことから,予定どおりにデータ収集ができており,とくに遅れはなく順調に推移しているものと判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,定型発達児の追加実験,その後,発達障害グレーゾーン児童または発達障害児童を実験協力者とした実験を行う予定である.しかしながら,昨今の新型コロナウィルスの影響で,対面式の実験実施が困難なことが予想される.そのため,対面式でない実験のデザインや,それに伴うロボットの仕様変更等を検討していきたいと考えている.
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