研究課題
本研究では、医薬ビッグデータと人工知能(AI)の基盤技術である機械学習を用いた創薬「AI創薬」を提唱し、それを実現するための情報基盤技術を構築する。開発手法で化合物をインシリコスクリーニングし、予測結果をウェット実験で検証し、有望な治療薬候補化合物を同定することを目標とする。令和2年度は、昨年に引き続き、化合物、タンパク質、疾患に関する医薬ビッグデータを、インターネットや文献、データベースから適時収集して整備した。特に本年は、難治性疾患患者のSNPなどのゲノム情報をGWASカタログなどの疾患特異的なデータベースからから得て、情報解析可能な形に整備した。そして、化合物の標的タンパク質プロファイルを構築した。グラフ畳み込みニューラルネットワークだけでなく再帰的ニューラルネットワークの枠組みで、化合物の標的タンパク質プロファイルを予測するためのモデルを構築した。他にも、線形モデルを活用したモデルも検討し、数値的検討を行った。それらのモデルを用いて、マルチタスク学習によるアルゴリズムや、化合物の化学構造の適用範囲を考慮したアルゴリズムも構築した。次に、疾患に対して効能を持つ化合物を予測する手法の開発を行った。疾患のオミックスデータや分子ネットワーク情報を用いて、疾患の分子機序の類似性を評価し、予測モデルに組み込んだ手法を開発した。最終的に、対象疾患に対して、医薬品候補化合物を網羅的に予測した。ドッキングシミュレーションで、予測結果の検証を行った。予測結果の検証のため、抗がん作用を評価できる試薬や提案手法で予測された化合物を用意し、がんに対する検証を行った。嚢胞性線維症の治療効果は、CFTRへの作用などで評価するため、その評価系構築し、予測結果の一部を検証した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Chemical Information and Modeling
巻: in press ページ: in press
10.1021/acs.jcim.0c01452
巻: 60 ページ: 4376 4387
10.1021/acs.jcim.9b01075