研究分担者 |
井口 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50547502)
天野 敦子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (20467848)
林 正裕 公益財団法人海洋生物環境研究所, 海生研実証試験場, 研究員 (20444870)
石村 豊穂 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (80422012)
岩崎 晋弥 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 特別研究員(PD) (70751006)
新垣 誠司 九州大学, 理学研究院, 助教 (10452963)
大野 良和 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 助教 (30814298) [辞退]
垣田 浩孝 日本大学, 文理学部, 教授 (40356754)
千徳 明日香 琉球大学, 理学部, 助教 (00722802)
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研究実績の概要 |
研究計画初年度は、X線CT装置を活用したサンゴ分析測線決定支援方法の高度化に取り組んだ。 サンゴ群体や骨格柱状試料について、分析測線を決定する作業は、長年の経験と勘に頼る試行錯誤的な作業である。また、内部に一時的な斃死面や穿孔生物による空隙が存在することもあり、このような構造をあらかじめ把握した後に、分析測線を設定することができると、作業効率が大幅に向上する。骨格成長速度が化学組成に与える影響を避けるために、成長速度が5 mm y-1以上の成長軸に沿って分析することがルーチンとなっているが、X線CT撮像により、この基準に照らして最適な分析測線を連続的に設定する方法を検討した。 具体的には、カリブ海産のサンゴ骨格や、ハナヤサイサンゴの骨格を対象に検討を進めた。カリブ海産のサンゴ骨格は、インド太平洋区に一般的に見られるハマサンゴの骨格とは特徴が大きく異なる。X線CT像から3次元モデルを構築し、骨格の成長方向を判別し、最も長期間の成長記録が保持されていると考えられる骨格部分を判定し、スラブを作成する部位を決定した。また、後者のハナヤサイサンゴは、流速がハナヤサイサンゴの骨格成長に与える影響を検討した試料である(Suzuki et al., 2008, Coral Reefs)。X線CT撮像の解析手法を応用して、気候変動情報の復元の高精度化に寄与できると期待される。特に、海洋酸性化に伴うサンゴ骨格密度の減少や石灰化量の減退が実際に起きているかどうかを、多くの海域について詳細に検討することが可能になると期待される。
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