研究課題/領域番号 |
18H03375
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
岩淵 邦芳 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10232696)
|
研究分担者 |
逆井 良 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10549950)
松井 理 金沢医科大学, 医学部, 助教 (60288272)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | DNA損傷 / アポトーシス / 53BP1 |
研究実績の概要 |
アポトーシス細胞の細胞膜表層にはアポトーシスのごく初期から断片化されたクロマチンが露出してくるが、露出の分子メカニズムは不明である。アポトーシス細胞表層のクロマチンは、食細胞によるアポトーシス細胞の貪食を助ける。アポトーシス細胞の速やかな貪食・除去は、自己免疫疾患を防ぐうえで極めて重要である。研究代表者は、DNA二重鎖切断修復タンパク質である53BP1が、アポトーシス細胞表層へのクロマチン露出に関与していることを見出した。本研究は、アポトーシスにおける53BP1の役割を明らかにすることを目的とする. 遅れていたマウス飼育ケージが導入されたため、野生型マウスと53BP1ノックアウトマウスから採取した脾臓リンパ球にアポトーシスを誘導し,53BP1欠損細胞では、アポトーシス細胞表層へのクロマチン露出が低下することを再確認した。 53BP1はTudor domainを介してDNA損傷部位のヒストンと結合する。アポトーシス細胞においても、Tudor domainとヒストンとの結合を介して、53BP1C末断片がクロマチンと結合したまま、細胞表層に露出する可能性がある。そこで、siRNAで53BP1発現を抑制したJurkat 細胞に、野生型あるいはTudor domain変異型(ヒストンと結合できない変異)の53BP1を戻し、アポトーシスでのクロマチンの細胞表層露出を調べた。その結果、Tudor domain変異型53BP1を戻したアポトーシス細胞では、53BP1発現抑制により低下クロマチンの細胞表層が回復しなかった。アポトーシス細胞におけるクロマチンの細胞表層露出は、53BP1のTudor domain依存性であることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
53BP1ノックアウトマウスを使ったin vivo実験が遅れているため。
|
今後の研究の推進方策 |
53BP1ノックアウトマウスを使ったin vivo実験を推進する。
|