研究課題/領域番号 |
18H03386
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
寳來 佐和子 鳥取大学, 農学部, 准教授 (60512689)
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研究分担者 |
国末 達也 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90380287)
杉山 晶彦 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (00432609)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 環境モニタリング / 微量元素 / フイリマングース / 母子間移行 |
研究実績の概要 |
2018年5月から10月にかけて、沖縄で捕獲を実施し、50頭の捕獲個体のうち、18頭が妊娠個体であった(妊娠個体18/50個体)。再度、沖縄での調査を同年8月20日-27日に実施した。ハワイでの捕獲は、米国農務省ハワイ事務所のRobert T. Sugihara研究員のサポートのもと、2019年4月に実施した(妊娠個体19/59個体)。プエルトリコ、キューバ、ジャマイカでは本種が狂犬病に感染していることが判明し、日本への持ち込みが不可能となった。その代替地域として、同じ西インド諸島に位置するSt. Kitts島とSt. Croix島での調査を計画した。米国農務省コロラド事務所Are Berentsen研究員のサポートのもと、St. Kitts島とSt.Croix島での捕獲を来年秋に計画している。モーリシャスでの捕獲は、国際自然保護連合Vikash Tatayah博士のサポートのもと、2020年以降に捕獲調査を実施することが確定している。フィジーでの調査は、上記Robert T. Sugihara研究員とともに、クロアチアでの調査はテネシー州立大学Arijana Barun博士とともに現在調整中である。 化学分析は、母仔7ペアの試料(血液 肝臓、脳)の水銀分析を実施した。その結果、肝臓におけるT-Hgレベルの母仔比は、80%のペアで1を下回った。一方、O-Hgレベルの母仔比は、50%のペアで1を超えていた。このことは、母親のT-Hgレベルは胎仔より高い傾向を示すものの、O-Hgレベルは、およそ半数の胎仔が母親よりも高いことを意味する。その原因として、母親のT-Hgレベルが高くなるとO-Hgの割合が低下し、母親のT-HgレベルにI-Hgが大きく寄与すること、一方、胎仔のT-Hgレベルには、I-HgよりもO-Hgレベルの寄与が大きいことが推察された。また、母親の血液レベルと仔の肝臓におけるO-Hgレベルの関連について解析を行った結果、有意な正の相関を示した(p < 0.05)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、フイリマングースの海外サンプリングが大きな柱の一つである。従って、これまで、米政府内問題や現在コロナによる世界規模での対応により、進捗に大きな影響が発生し、今後もそのような影響が発生する可能性がある。しかし、問題解消後には迅速に本研究における協力者との連携により、解消していく所存である。
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今後の研究の推進方策 |
世界でのコロナウイルス感染および対策が落ち着きを取り戻し次第、すぐに調査を始められるよう、現在、各国の研究協力者と調整中である。
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