研究課題
分担者とともに環境測定やアウトカム情報の収集を継続し、昨年度一通り完成させた環境測定とアウトカム情報とを突合した疫学統計分析に使用するデータベースを更新した。今年度はPM2.5、またその化学組成にも着目し、中期的(月単位)な曝露による妊婦、胎児への影響についても検討を進めた。ここでは、PM2.5の化学組成データの蓄積があり、人口が多いために統計学的な検出力が確保できると考えた東京(23区)を対象地域とした。昨年度のうちにとりまとめた統計解析計画書に準じて、① 胎児発育の指標である出生時体重や胎盤重量をアウトカムとして、三半期ごとの曝露に着目して、どの期間の曝露が胎児発育指標と関連するのか検討した。また、国際的には知見が多い早産との関連性についても分析した。② 胎児でなく母親側に注目し胎盤形成と重なる妊娠第1三半期の曝露にしぼり、胎盤が発症に重要な役割を果たす胎盤関連妊娠合併症(産科合併症である妊娠高血圧腎症、常位胎盤早期剥離、small for gestational ageや死産)との関連性を検討した。その結果、ここ10年内の日本におけるPM2.5濃度でも周産期アウトカムと関連していること、特定の成分に周産期影響を認める可能性があること、を示した。これらの成果は、日本疫学会学術総会や日本衛生学会学術総会で発表したところであるが、その際には研究協力者の発表が優秀演題賞を受賞した。また、とりまとめた3編の論文は、1編は受理・公開されており、2編は投稿中となっている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiology
巻: - ページ: -
10.1038/s41370-021-00299-4
Journal of Occupational and Environmental Medicine
巻: - ページ: in press
Perinatal Care
巻: 39 ページ: 82-87
新薬と臨床
巻: 69 ページ: 202-205