研究課題/領域番号 |
18H03410
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
伊豆田 猛 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20212946)
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研究分担者 |
渡辺 誠 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50612256)
山口 真弘 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 助教 (60736338)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ブナ / オゾン / 高濃度二酸化炭素 / 窒素負荷 / 白神山地 / 環境変動 / 適応策 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、平成30年度から3年間にわたって継続する実験的研究によって、ブナ実生の成長、光合成などの生理機能および栄養状態などに対する高濃度二酸化炭素(CO2)、オゾン(O3)および土壌への窒素沈着の複合影響とそのメカニズムを解明し、21世紀における複合的な環境変動による白神山地のブナ林被害に対する樹木生理学的適応策を提案することである。 平成30年6月にブナ苗をポットに詰めた土壌に移植し、6月下旬から11月下旬までの半年間にわたって自然光型ファイトトロン内(東京農工大学府中キャンパス)で育成し、ガス処理(毎日)と土壌への窒素負荷(毎月1回)を行なった。大気CO2処理区として、ファイトトロン内のCO2濃度を400 ppmに制御する現状CO2区と21世紀後半のCO2濃度を想定した700 ppmに制御する高濃度CO2区を設定した。また、大気O3処理区として、ファイトトロン内のO3濃度を40 ppb以下に制御する低濃度O3区とO3濃度を野外濃度の2.0倍に比例追従制御した高濃度O3区を設定した。さらに、ブナ苗の育成期間中に硝酸アンモニウム溶液を育成ポットに詰めた土壌の表面から毎月1回の頻度で添加することによって、年間1 haあたりの土壌への窒素負荷量が0、50または100 kg ha-1 year-1となる土壌窒素処理区を設定した。2段階のCO2濃度区と2段階のO3濃度区と3段階の土壌窒素処理区をファクトリアルに組み合わせて、合計12処理区を設け、各処理区でブナ苗を育成した。 半年間にわたるガス処理と土壌への窒素負荷を行なった結果、ブナ苗の成長(樹高など)は、高濃度CO2によって増加し、O3によって低下し、土壌への窒素負荷によって増加する傾向を示した。なお、ブナ苗の成長に対するCO2処理、O3処理および土壌への窒素負荷の交互作用は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の研究は着実に遂行され、ブナ苗へのガス処理(二酸化炭素およびオゾン)と土壌への窒素負荷や植物成長測定などが順調に進行したため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後(2年目)も、ブナ苗へのガス処理や土壌への窒素負荷を継続的に行い、その成長や生理生化学的機能を測定し、高濃度二酸化炭素、オゾンおよび土壌への窒素負荷の単独および複合影響を明らかにする。
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