研究課題/領域番号 |
18H03416
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 英志 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (90312652)
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研究分担者 |
横山 俊 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (30706809)
下位 法弘 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (40624002)
上高原 理暢 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80362854)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 化合物太陽電池材料 / 錯体濃度計算 / 硫化反応速度 / インク化 |
研究実績の概要 |
人類が平等に、国格差や企業規模格差なく太陽光をエネルギー源として享受するためには、誰でも、何処でも、後進国であっても、簡単に、簡易的な設備のみを用いて、太陽電池を作製できるプロセスを開発することが必要である。この様なプロセスの最も大きな課題は、光吸収層となる化合物半導体を低環境負荷で簡単に合成する手法の確立であるが、我々は既に光吸収層となるCIGSナノ粒子及びCZTSナノ粒子を常温の水溶液中で合成することに成功している。後は、これらと共に、太陽電池形成に必要な全ての層(化合物太陽電池層、電極層、バッファ層、ZnO(S)層、InS3層など)を、プリンテッドエレクトロニクス手法を応用し塗布形成する技術を開発すれば前述の太陽電池作製プロセスを達成できる。 そこで本研究では、インクジェット法等の簡単なプリンテッドエレクトロニクス手法のみを用いて、常温の水溶液系で化合物太陽電池を形成する技術を開発することを目的としている。 本年度は、錯生成定数と金属錯体の還元/硫化反応速度(電位)の相関を理論(ネルンストの式等)と実験(サイクリックボルタンメトリー測定等)の観点から明確化し、均質単結晶ナノ材料の合成方法及び基板表面上への核生成・膜成長の条件を明らかにする検討を行った。錯体濃度計算結果に基づき調整した原料溶液中に存在する金属錯体種とその硫化反応速度の間には明確な相関が観測され、均質な前駆体物質を合成可能となる条件を見出した。 また、光吸収層以外の無機材料層を合成し、塗布可能なスラリー状態を達成する技術の開発を検討した。合成された無機材料の粒子径を制御する手法を開発し、表面官能基を制御することでインク化が可能であること、塗布により均質化するための諸条件、等を明らかにすることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の研究期間3年の中の2年目に相当するが、遅延等はなく、錯体濃度計算結果から導かれた条件で前駆体粒子を合成する為の硫化反応速度制御方法を明らかとし、塗布に必要な粒子径制御とスラリー化が可能な条件を解明できているなど、課題を遂行するために当初計画していた通りに実施できているため表記の区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
前述の条件により合成された前駆体粒子の粒子径制御と均一性制御の手法を詳細に検討し、合成した各種材料を用いて、基板化する技術を開発することを試みる。
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