研究課題/領域番号 |
18H03420
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
小口 正弘 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主任研究員 (20463630)
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研究分担者 |
田崎 智宏 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 室長 (10353541)
醍醐 市朗 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (20396774)
村上 進亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40414388)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 製品使用年数 / 耐久消費財 / 要因分析 / 長期使用 / 循環経済 |
研究実績の概要 |
期待使用年数の形成要因の1つと考えられる過去の保有製品の期待使用年数と実使用年数の差を明らかにすることをねらいとし、製品の期待使用年数と実使用年数の実態を把握するための消費者アンケート調査を継続的に実施した。その結果、掃除機や携帯電話について、消費者の期待使用年数は実使用年数の1.5倍程度であることがわかり、両者のギャップを解消することで現状の50%程度の長期使用を実現できる可能性が示された。また、耐久消費財の使用年数に関する統計調査のオーダーメード集計データの使用検討・決定、入手を行い、買替理由別の実使用年数を解析した。その結果、故障による買替と上位品目への買替で明らかな使用年数の違いは見られず、上記で明らかにした期待使用年数と実使用年数のギャップは物理的な耐久性劣化と機能・性能の相対的な陳腐化の両方によって生じている可能性が示された。さらに、保有製品の期待残存使用年数を変数として組み込んだ動的離散選択モデルによる消費者の買い替え選択の分析を行なったところ、期待使用年数の延長に応じて保有製品の実使用年数が延長されることが示された。アジア途上国を対象とした調査については、耐久消費財の期待使用年数およびそれに影響すると考えられる属性や製品の使用状況に関するアンケート調査の設計、準備を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査の継続的な実施と解析、製品の期待使用年数および実使用年数の算出と要因分析、統計情報集計データを用いた解析、アジア途上国における調査設計と準備を行なっており、に沿って研究を実施しており、繰越申請における変更後計画に沿っておおむね順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
計画に沿って、アンケート調査の結果分析、期待使用年数と実使用年数の乖離の要因分析と、それに基づく製品長期使用に向けた主な阻害要因と改善可能性を整理する。また、国内調査会社への外注を利用したウェブ方式の調査によってアジア途上国における製品の期待使用年数および実使用年数の実態把握と要因分析を行う。
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