研究課題/領域番号 |
18H03424
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大瀧 友里奈 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (50422382)
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研究分担者 |
植田 一博 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60262101)
本田 秀仁 安田女子大学, 心理学部, 講師 (60452017)
大瀧 雅寛 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70272367)
大塚 玲 情報セキュリティ大学院大学, その他の研究科, 教授 (50415650)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 見える化 / 用途別水使用量 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
各家庭の全体の水使用量の1秒データを取得し、機械学習を行った。データの取得にあたっては、調査会社においてモニターを募集し、さまざまな家庭の水使用パターンを取得できるようにした。具体的には、研究者が家庭を訪問し、レンタルした測定機器を設置し、協力家庭には複数用途の水使用を行わないこと、使用時間をダイアリーシートに記入することを依頼し、データの取得を行った。単独用途については100軒以上のデータ収集をすることができた。機械学習については、いくつかの方法を試行錯誤しており、現在は正答率70%程度となっている。95%程度の正答率を目指しているため、手法をさらに工夫していく必要がある。加えて、複数用途が重なって使用された場合の解析を行うため、単一用途の流量パターンを人工的に重ね合わせて、複数パターンを創出し、分析を行う準備を行った。 見える化については、モニター会社を通じたフィールド実験を8か月間行い、水使用量の変化を観察した。加えて、見える化された情報を受け取ることに対するアンケート調査を行い、満足度や自由度(水使用を自分の自由意志で決定できていると感じているか)と見える化方法との関係性を調査した。見える化の方法には、他者との水使用量との比較をグラフ表現を用いて行う場合(他者比較群)、公共財への意識を喚起する場合(公共財群)、の2種類を行った。その結果、水使用量削減の効果は、他者比較群も公共財群もあるが、他者比較群のは満足度が公共財群よりも低いことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
機械学習がやや難航している。機械学習手法を当初考えていたものから変更して検討を重ねているが、キッチンでの使用と洗面での使用を区別することが難しい。更に分析に基礎データ取得のための家庭訪問がコロナウイルス蔓延の影響で継続できないため、現在の手持ちデータで解決すべく検討している。 機械学習の検証用データについては、関係者の自宅を用いてデータ取得を行うことで解決を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度実施予定の、見える化によりどの用途の水使用量が変化するのかを検証する際に用いる「見える化」手法について、これまでの研究成果を比較し、最も短期的な効果が高いと考えられるものを選定していく。 実施にあたっては、コロナウイルスの影響を勘案し、事前にオンラインでの説明を実施した上で、機器の設置は研究者が研究協力者に面会することなく行う方法をとる。更に、外出の規制が高まっている場合には、車での訪問やモニター自身での測定機器のセットアップ等を考える。 見える化での使用量の変化についても、調査期間内に在宅推奨である場合とそうでない場合では水使用パターンが変わってくるため、行うタイミングを見極めないと、調査データの分析が難しくなるため、タイミングの見極めを行わなければならない。
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