研究課題/領域番号 |
18H03428
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
蟹江 憲史 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (90326463)
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研究分担者 |
森田 香菜子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70599125)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | SDGs / 国連 / ハイレベル政治フォーラム(HLPF) / 持続可能な開発 / 国際制度 |
研究実績の概要 |
本研究は、以下の三つの側面における学術研究の文脈のうえにたち、これらの側面についての知見を発展させるとともに、地球環境政策の知見として統合発展させるものである。第一に、国際政治及びグローバルガバナンスの行為主体の多元化と、これに伴う行為主体の機能や役割の変化に関する学術研究の文脈であり、この観点から、応募者のこれまでの研究成果を発展させるものである。第二に、歴史的制度主義や経路依存性に関する国際制度設計(architecture)研究文脈上に位置しながら、制度の変遷に着目する実証研究を行う側面がある。第三に、国際関係論における社会構成主義研究の文脈であり、アクターのアイデンティティやインタレスト、規範等の要因が国際制度の展開にいかに影響しているかを明らかにするものである。この内初年度は、第一と第二の側面に焦点を当てた。前者に関しては、SDGを巡る国際政治状況のレビューをおこない、国連HLPFにおける現地調査を実施し、また多様なステークホルダーによるSDGsの実施状況を把握した。第二の側面に関しては、SDGsの実施状況全般について、「目標ベースのガバナンス」のコンセプトのもとで初期的な分析を行った。これにより、以後の研究で対象とする行為主体を決定した。 事例調査に関しては、国連による公式文書や、IISDがEarth Negotiations Bulletinに整理している議事録をその主要なデータソースとして特にHLPF過程の整理を行った他、国連事務局関係者への聞き取り調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査及び現地調査に焦点を当てた初年度の研究は概ね予定通り進捗している。特に、国連プロセスでの調査に関しては十分な人的ネットワークを構築しておくことが重要だと考えるが、この点において、日本政府関係者及び国連機関関係者、NGO関係者等とのネットワークを築くことができたのは大変重要な進捗であったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き文献調査を継続するが、特に2019年はSDGsやHLPFの国連プロセスを考える上で非常に重要な年になるということは、計画段階から明らかであったことから、本年度は現地調査を中心に研究を進捗させる。前年度にその準備が十分できたことから、本研究のオリジナルの調査の核を形成する今年度の国連プロセス研究に注力したい。これをもって、以後の調査研究につなげていく。
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