研究課題/領域番号 |
18H03434
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
佐藤 孝宏 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (80444488)
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研究分担者 |
LOPEZ Mario 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (70527639)
和田 泰三 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (90378646)
佐藤 史郎 東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (40454532)
西 真如 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特定准教授 (10444473)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 生存基盤 / モンスーンアジア / 指標研究 / 地域研究 |
研究実績の概要 |
今年度は、「持続型生存基盤パラダイム」を深化させるために、以下のような研究活動を行った。 ①生存基盤データベースの構築:生存基盤指数の構成要素である、CO2排出量、森林バイオマス、生物多様性、生物資源消費、人口、世帯内人数、不測の死に関する統計・観測資料の収集を進めた。生物多様性データについては、2018年度末にWWFのウェブサイトから収集した1304生物種・16,937地点の生息数データについてデータ確認作業を行い、1970年から2014年までのそれぞれの種数の推定が行えるようデータを整理した。これにより、国家を単位として算出されたこれまでの生存基盤指数をダウンスケーリングすることが可能になった。 ②地域生存基盤指数の開発:「地域社会の生存基盤が何によって、いかに構成されているか」を把握するため、モンスーンアジアの3か国において調査を行った。具体的には、既存の生存基盤指数の指標項目のうち、短期的に変動する5つの項目(CO2排出量、生物資源消費、人口、世帯内人数、不測の死)がいかなる相互関係を有しているかを把握するため、インド・タミルナードゥ州シバガンガイ県、タイ・コンケーン県およびベトナム・カントー市の3か所の農村で質問票設計のための予備調査を行った。また、タイ・コンケーン県の農村においては、100世帯を無作為抽出して質問票調査を行った。調査の過程で、とくに人間圏指数(人口、世帯内人数および不測の死)の相互関係に関しては、地域社会が持つ特性に大きく影響されているため、普遍化が困難であることが明らかになった。 ③持続型生存基盤パラダイムの国際的発信:京都大学主催のシンポジウム、フィリピンのVisayas State UniversityおよびSouthern State Universityにおいて、生存基盤指数に関する研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①生存基盤指数の構築および②地域生存基盤指数の開発について、各種データ収集はある程度順調に進んでいるものの、地理情報システムやVBAマクロといった技能を有する研究補佐員を確保できていないため、これらのデータ分析についてはあまり進んでいない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である今年度は、有能な研究補佐員をなるべく早期に確保し、データ分析を本格化させる。 新型コロナウィルスの感染者拡大に伴い、国際会議での発表を通じた持続方生存基盤パラダイムの国際的展開や、モンスーンアジア諸地域でのフィールドワークを行うことが困難になっている。そこで、既に予備調査を終えているインドおよびベトナムの農村を対象として、現地カウンターパートに質問票調査を委託することにより、地域生存基盤指数の開発に必要なデータ収集を進める。 今年度後半については、国際研究雑誌への投稿に向けたデータ分析と論文執筆を精力的に進め、年度末までの論文投稿を目指す。
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