研究課題/領域番号 |
18H03436
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
関根 久雄 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60283462)
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研究分担者 |
梅村 哲夫 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (30293715)
小林 泉 大阪学院大学, 国際学部, 教授 (60234811)
畝川 憲之 近畿大学, 国際学部, 教授 (10388332)
東 裕 日本大学, 法学部, 教授 (30316301)
野田 真里 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (90334995)
三村 悟 独立行政法人国際協力機構(研究所), 研究所, 上席研究員 (10648926)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 持続可能な開発目標(SDGs) / 太平洋島嶼国 / 社会開発 / 経済開発 / 政府開発援助 |
研究実績の概要 |
持続可能な開発目標(SDGs)の太平洋島嶼地域における実践可能性を探るべく、(1)MDGsからSDGsへの変遷を成果と課題の観点から整理するための文献研究、(2)太平洋島嶼地域に対する我が国ODA案件をSDGsの観点から調査、(3)ミクロネシア、メラネシア、ポリネシア各地域における現地調査を実施、(4)研究の進捗状況を相互検証するための研究会を開催した。 (1)については主に研究代表者の関根と分担者の野田が担当した。(2)と(3)は統合的に行われ、研究代表者の関根と分担者の三村はメラネシアのソロモン諸島を、分担者の小林はミクロネシア連邦、分担者の東はメラネシアのフィジーとソロモン諸島、分担者の畝川はポリネシアのトンガ、分担者の梅村はパラオとフィジーを対象に資料収集やインタビュー調査を国内及び現地で行った。各国いずれもがSDGsを国家開発計画の中核に位置づけ、双方をマッチングさせる作業を進めている段階である。一般的な傾向として、経済成長を念頭に置いた普遍的な開発観に基づくSDGsを達成させることを指針として示されているが、太平洋島嶼地域の地域的特徴であるサブシステンス経済や豊かな自然環境との相互性、家族・親族との緊密な紐帯などの社会文化的要素を具体的な施策の中に取り入れるところまでは至っていないことが明らかになった。SDGsは国家や地域の特性に応じてカスタマイズされることを想定した、一種の開発の指針である。次年度は調査対象国をさらに広げるだけでなく、今年度の調査結果をもとに、国内外の関係各機関や関係者との意見交換を進めていく。 2019年3月3日に、研究代表者および分担者による本科研課題に関する研究会を実施した。メンバー全員が1年間活動に関する詳細な報告を行うと共に、SDGsの観点から捉えた太平洋島嶼国の地域的特徴や開発の方向性などについて議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連文献の渉猟、国内・海外調査ともに概ね計画に近い内容で進めることができている。ただし、地域的に日本からの交通の便が必ずしも多くなく、またメンバーの中には本務校で要職に就いている者もおり、海外調査を実施しているものの、その期間を十分に確保できているわけではない。地域的特徴を踏まえたSDGsを考察の対象とする本研究課題にとって現地調査は研究遂行上の要諦であるため、克服するべき課題であると認識している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、国内・海外双方における資料収集およびインタビュー調査、現地視察を中心にプロジェクトを行う。研究代表者、分担者全員が4年間の研究期間中に太平洋島嶼3地域(ミクロネシア、メラネシア、ポリネシア)ずべてを対象とすることにしているため、今年度は昨年度の調査対象国から担当国を変えて調査を実施する。また、昨年度一部のメンバーに限定されていた国内の政府開発援助実施機関に対する調査(情報交換)の回数や時間数を今年度は増やし、太平洋島嶼国に対するODAに占めるSDGs関連施策等についての理解を深めたい。
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