研究課題/領域番号 |
18H03436
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
関根 久雄 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60283462)
|
研究分担者 |
畝川 憲之 近畿大学, 国際学部, 教授 (10388332)
三村 悟 福島大学, うつくしまふくしま未来支援センター, 客員教授 (10648926)
梅村 哲夫 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (30293715)
東 裕 日本大学, 法学部, 教授 (30316301)
小林 泉 大阪学院大学, 国際学部, 教授 (60234811)
野田 真里 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (90334995)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 太平洋島嶼国 / 中国 |
研究実績の概要 |
コロナ禍による航空便の運航停止・減便・航空運賃の高騰などの要因により現地調査が困難となったため、主としてコロナ禍以前の現地調査によって得たデータの整理、国内における関係各所でのインタビューや意見・情報交換、文献・資料・情報の整理とその発信を行った。特に、持続可能な開発という視点から、太平洋島嶼の地域的特性を踏まえたSDGsの模索、産業振興の状況、現地の民主主義制度の構造とその実際の運用、太平洋島嶼諸国間の国際関係の動き(PIF地域協力機構の動揺、中国の進出など)について研究を進めた。 島嶼国の憲法に定められた民主主義制度と実際の運用について、SDGsの目標に掲げられている「10.人や国の不平等をなくそう」、「16.平和と公正をすべての人に」をそれぞれ、「法の下の平等」、「法の支配」の実現と捉え、この二つが民主主義の実現に不可欠な原理という視点から、島嶼国の政策のあり方を考察してきた。 また、パラオ共和国はこの十数年観光業の発展により大きな経済成長を遂げ、国民所得はもちろん政府財政にも安定をもたらせてきた。ところが 2020年にはコロナ禍の影響を受け、観光客が止まると、一気に経済低迷に陥った。その状況をふまえ、パラオ国内の産業開発の経緯について調査し、行政資料、統計資料の収集とともに現地調査を実施して課題にアプローチした。さらに、日本の島嶼地域(奄美大島)での経済開発の成功・失敗の経緯を見て 島嶼国との比較も試みた。 その成果として、編著書1冊、単著論文6本、著書2冊(共著書1、単著書1)を刊行・脱稿し、研究発表4件を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により現地調査が実施できなかったことで、現在の太平洋島嶼国における政治・社会事情を実地レベルで把握できなかったことは、「太平洋島嶼地域型」の持続可能な開発、SDGsのあり方を探る本研究課題の遂行にとって大きなマイナス要因となった。代替手段として国内の関係各所でのインタビューや、オンラインによる現地事情の把握、インターネットを通じた情報収集を試みるも、実地調査の欠如は大きく影響した。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度においてもコロナ禍の動向に大きく左右される。島社会は感染症に対する警戒感が他地域以上に強く、入国規制の基準を容易に緩和しない傾向にあるため、パンデミック全体の行方を見据えつつ、外務省、JICA、PIC(国際機関太平洋諸島センター)、民間企業など、太平洋島嶼地域と関係の深い官民組織を通じた国内調査を進めると共に、これまでの研究蓄積の成果の公表を積極的に行う予定である。
|