研究課題/領域番号 |
18H03448
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
福味 敦 兵庫県立大学, 国際商経学部, 准教授 (20379465)
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研究分担者 |
加藤 篤史 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (00286923)
溜 和敏 高知県立大学, 文化学部, 准教授 (10722465)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 南アジア / インフラストラクチャー / エネルギー / ポリティカルエコノミー / 地下水 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトの目的は、インドの経済発展の鍵を握るエネルギー分野に焦点をあてながら、同分野におけるコネクティビティの強化が、インドと周辺国の経済や社会、エネルギー安全保障、外交関係に及ぼす影響を明らかにすることにある。プロジェクト二年目にあたる2019年度は、引き続きエネルギーをテーマに共同現地調査を実施、一次資料の収集に努めた。具体的には、①8月:インド・ウッタルプラデーシュ州、デリー、パンジャーブ州にて、電力公社幹部、大学教授、ジャーナリスト、労働組合代表、外交官らから、各州のエネルギー政策の立案プロセスと実施に関するヒアリング、②11月:インド・パンジャーブ州G村にて、農家から電力事情と地下水の低下問題に関するヒアリング、③12月:西ベンガル州、カルナータカ州にて、電力規制委員会委員、電力会社幹部、労働組合代表、大学教授、外交官らより、各州の電力改革、インドのエネルギー安全保障に関するヒアリング、をそれぞれ行った。こうした調査を通じて、国内政治とエネルギー政策の関連はもとより、インドを中心としたエネルギー貿易に関する有意義な情報を多く得ることができた。
研究成果の一部については、たとえば本プロジェクトが共催した国際カンファレンス”13th Indo-Japanese Dialogue on Indian Economic Development”では、関係者4名(加藤・佐藤・溜・福味)がそれぞれ研究報告を行い、現地研究者から多くのコメントを得ている。同時に4名が執筆、参加した書籍がそれぞれ刊行されるなど、成果の発信を継続的に行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インド国内での資料収集は順調に推移しており、また研究成果の発表も複数なされている点は評価できる。一方で、インド・パキスタンの外交関係の悪化や、コロナ禍の影響により、本来予定していた周辺国での調査を行うに至らず、その点を差し引いて、「おおむね順調」としている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、コロナ禍により、現地調査の実施には困難となる可能性がある。その場合、すでに十分な情報が集まり、一定の分析が終了している電力セクターを中心に、これまで収集した知見のアウトプットにこれまで以上に注力する。加えて、天然ガス・石油部門について日本国内にある情報を集める。
現地調査が可能な状況になった場合、大きくは以下の二つの方針に従い実施する。(1)周辺国での調査実施:とりわけ電力の貿易が重要な意味をもつ内陸国ブータンでの調査を計画している。(2)電力に加えて、天然ガス・石油部門へと調査対象を拡大する。主にインド国内において天然ガス石油公社や規制委員会でのヒアリングを行う。
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