研究課題/領域番号 |
18H03451
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
清水 郁郎 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (70424918)
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研究分担者 |
上北 恭史 筑波大学, 芸術系, 教授 (00232736)
中村 真里絵 愛知淑徳大学, 交流文化学部, 助教 (20647424)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 東南アジア / 水辺集落 / 居住文化 / 景観 / リバース・イノベーション / 物質文化 / 霊的景観 / 生態系 |
研究実績の概要 |
研究最終年度となる2022年度は、第14回国際タイ学会(4/29-5/1、京都大学)において、研究対象地タイとラオスの水辺集落における居住文化の変化、景観を維持する鍵になる社会集団の編成、心的現象としての景観等について研究成果を4題発表した。続いて、ラオス北部のルアンパバーンにおける水辺集落における調査を2022年9月に、ラオス南部のパクセにおける補足調査を2023年3月に実施した。ルアンパバーンでは、ガー川流域に立地するルー族のKN村において水域居住文化と景観に関する資料を得た。KN村の主要交通手段は現在まで舟運で、生業は農耕に加え、漁撈も活発である。村の創世伝説によれば河川各所が村の起源に関わっており、また、葬送儀礼で死者の遺骸を中洲島に埋葬するなど、河川が慣習と深く関与している。これらの調査から、住居を含む物質文化、景観の創出には慣習や信仰が重要であるとの知見を得た。 いっぽう、パクセでは、2020年3月に実施したメコン川流域多島海エリアの調査研究で着想を得た霊的景観という観点から、固有の景観がどのように物質性と精神性を混淆しながら創出されるのかを探求した。住居や景観の実測、ドローンによる映像記録、参与観察、複数の霊媒と住民へのインタビューを広域に実施し、特定の霊的存在に関わる儀礼的浄化行為が古来、多島海全域で行われており、その役職を担う霊媒が時代ごとに各島で広く出現したこと、また、浄化に関わる特定の池や島が複数存在し、それらがひとつの宗教体系のもとに整理され、認識されていることを確認した。これらのことを踏まえ、多島海全体は固有の島の集まりに見えるが、実際は同じ信仰体系によってひとつの閉じた世界として組織されていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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