研究課題/領域番号 |
18H03459
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
敷田 麻実 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40308581)
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研究分担者 |
内田 奈芳美 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (10424798)
森重 昌之 阪南大学, 国際観光学部, 教授 (20611966)
愛甲 哲也 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (30261332)
菊地 直樹 金沢大学, 地域政策研究センター, 准教授 (60326296)
湯本 貴和 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70192804)
新 広昭 金沢星稜大学, 経済学部, 特任教授 (90781683)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生物文化多様性 / 観光資源 / 資源戦略 / 文化サービス / 地域再生 |
研究実績の概要 |
地域資源を活用する際に地域資源の「資源性」と「文化性」に関して引き続き研究を進めた。観光地域における資源の開発、資源化プロセスに着目し、地域に存在する自然環境から「生態系サービス」を生み出すプロセスを「地域資源戦略」と定義し、資源の高度利用メカニズムを明らかにした。特に、知床地域、白山国立公園、長野県の高原草地など、新たな資源開発が盛んな地域の資源を対象として事例調査を行った。その結果、地域資源の変換には、特定の要因がかかわっていること、地域資源への人々の関与が影響すること、自然資源も文化的な資源としての価値を持つことを明らかにしてきた。 また、現在と過去の景観の変化を明らかにするRepeat Photographyという手法を用いて,国立公園の自然景観、文化的景観などの分類とその経年変化の比較を試みた。その結果、自然物の変化は少なく、人工物により景観の変化が見られた。同手法は観光地域の地域資源の変化を把握する上でも有効だと考えられた。「奥能登国際芸術祭」開催までのプロセス、成果、今後の戦略などについて調査を行った。その結果、もともとあった優れた生物文化資源にGIAHS(世界農業遺産)、 SDGsという多重の意味を付与することにより、人と生態系とのかかわりによって生じるプリミティブな1次的文化が3次的文化と直接結びつき、「創造農村」になったことが明らかにできた。さらに霧ヶ峰、開田高原などに残る半自然草地の生態学的な現状と社会的・文化的な保全上の課題を調査し、和文および英文で論文・書籍を刊行した。 以上の調査と並行して研究会を研究分担者メンバーの参加と関連する分野の研究者を招聘して行った。その結果をそれぞれの分担者の専門分野で発表や出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度から2020年度にかけて研究成果をまとめ、著書「生物文化多様性」として出版することができた。この成果を生かして、さらに研究を推進してきたが、ウイルスの感染拡大によって十分は調査活動が行えていない。制約の中で現地調査を進め、学会や論文に発表してきた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画を変更し研究を推進し、まとめた研究成果から一層発展させ、さらに新しい概念の提示のための議論を分担者とともに進める。国際学会での発表及び国内の関連学会でセッション開催などを推進する。なお、出版した図書による生物文化多様性の概念の普及を進める。
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