研究課題
当該年度は、1)微粒子コンバータ・シンチレータおよび透明材の充填方法・比率の最適化および2)新規シンチレータ材の探索のうち、2)の新規シンチレータ材の探索を重点的に実施した。2)の新規シンチレータ材の探索としては、これまで試行していたLiF等の中性子コンバータとシンチレータを混合するのではなく、中性子コンバータであるLiを含むシンチレータであるLiガラスシンチレータと透明樹脂の混合物を候補とすることとした。これは、屈折率の異なるコンバータとシンチレータを混合することによる透過率の低下を避けるために試行したものである。 混合物をLi含有シンチレータと透明樹脂のみにすることで、屈折率のマッチングは容易となり、再現性良く透明コンポジットシンチレータを製作することが可能となった。製作した粉末Liガラスシンチレータを含有する透明コンポジットシンチレータの中性子に対する応答を評価した結果、信号はこう分布中に中性子ピークを形成することが確認された。本方式は、粉末Liガラスと透明樹脂の混合物を固めて製造するため、大型化が容易なだけでなく、膜厚制御、形状制御も比較的容易である。LiF-ZnSシンチレータと比較すると透光性も高いため、厚みを増加し中性子検出効率を増加することも比較的容易であると期待される。場合によっては小型化も可能であるため、BNCT用の光ファイバ型中性子検出器等への応用も期待できる。当該年度の検討により、大判中性子シンチレータを実現するための見通しが得られた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Radiation and Isotopes
巻: 168 ページ: 109553~109553
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Radiation Measurements
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