研究課題/領域番号 |
18H03469
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
富田 英生 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20432239)
|
研究分担者 |
古川 高子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00221557)
SONNENSCH Volker 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80813261)
山本 誠一 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00290768)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 放射性炭素同位体 / レーザー分光 / 同位体標識 / 代謝物分析 |
研究実績の概要 |
A. ヒトホット試験および代謝物分析に向けたキャビティーリングダウン分光法(CRDS)に基づく放射性炭素(C-14)分析法の高感度化と代謝物分析法の開発 CRDSで取得する吸収スペクトルにおけるバックグラウンド変動が14C分析の感度を制限する一因となっていた。バックグラウンド変動のうち、CRDSシステムに使用している光学部品(レンズ・ミラー)からのわずかな反射によって引き起こされるエタロン効果を効率的に抑制する手法を考案し、その有用性を明らかにした。また、代謝物の定量分析に向けて、少量の試料での分析を実現することが求められるため、炭素含有試料の燃焼酸化によって生成されたCO2の分離とCRDSへの導入法の開発を行い、信号強度の改善を確認した。
B. 代謝イメージングのための2重同位体標識薬剤の開発 2重標識薬剤候補について検討を行った。特に、体外からの代謝物分布測定を念頭におき、C-14から放出されるβ粒子を用いたイメージング法を開発した。本手法はトリチウムに対しても適用できる可能性があるため、C-14とH-3の標識が有用となる可能性が示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予想に反し、バックグラウンド変動の抑制法に関する新たな知見が得られたため、その研究を優先することとしたため、当初計画からは若干の遅れが生じた。代謝物分析に向けた少量の試料に対する前処理・試料導入法の検討は計画通りでの進捗であった。標識薬剤の検討に着手し、体外からのイメージング法の開発が進んでおり、概ね計画通りであった。
|
今後の研究の推進方策 |
14C-CRDSを高感度化するいくつかの方策について、並行して研究を進める。また、代謝物分析には試料の前処理および導入法の開発も不可欠であるため、クロマトグラフィー装置とのカップリングを念頭に要素技術の研究を進める予定である。また代謝物分析については、C-14からのβ線起因制動X線イメージングを実証できたことから、その有用性を評価することなどを実施する予定である。
|