研究課題/領域番号 |
18H03480
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山本 早里 筑波大学, 芸術系, 教授 (90300029)
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研究分担者 |
伊藤 誠 筑波大学, システム情報系, 教授 (00282343)
亀田 能成 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (70283637)
矢野 博明 筑波大学, システム情報系, 教授 (80312825)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 環境デザイン / リスク評価 / リスクマネジメント / 力覚フィードバック / アクセシビリティ |
研究実績の概要 |
本研究は、欧州から始まったシェアードスペースを日本にも適応するための必要事項を、1班:道路環境デザインと、自動車のシステム構築の2方面(2班:リスク視覚提示、3班:触力覚提示)から検討し、4班:リスク評価を行って、デザインシステム構築のための要件を明らかにするものである。本年度の各班の研究成果は以下の通りである。 1班:自動運転車両の次の動きを道路上に提示するサインのデザインをいくつか提案し、巨大仮想空間において歩行者に提示し、行動観察及びアンケート評価によって検討した。自動車と歩行者双方の動きを組み合わせて提示するサインが最も効果的であることが明らかになった。/2班:車両操作インタフェースとして力覚ジョイスティックに7chのマニピュレータを組み合わせた全周囲衝突回避猶予時間提示装置を開発し、静止車両において周囲からの接近物体の認識を行う評価実験を行った。その結果、複数の物体の接近を認識可能であることが示唆された。/3班:現実に近い街角環境を没入感高く体験できるVR環境基盤の構築に成功した。被験者の視線の観測にも成功し、その結果、車両の速度によって、被験者の確認する事物や範囲が変わることが定量的に明らかにできた。本成果は、主観評価スコアの信頼性を担保する方法論の構築に繋がる。/4班:巨大仮想空間LargeSpaceを利用した歩行者行動実験における歩行者の行動を分析した結果、車両の来る方向によって歩行者のリスクの感じ方が異なることなどを明らかにした。また、路面に接近車両に関する情報を提示する手法を考案し、評価実験を行った。/また、研究協力者の海外動向調査によって、現在、公共交通の自動運転が注目され、Curbside Design(車道と歩道の境界設計)が大きなテーマとして浮上しているという情報が得られた。 研究協力者:筑波大学国際産学連携本部川本雅之、大学院生:陳 章以靖、前田萌
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、シェアードスペースのデザイン方法の検討と検証がなされていること、リスク視覚の手法の検討と検証が行われていること、触力覚提示の装置が製作され検証がなされていること、リスク評価の実験が行われたこと、などによる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、道路環境のデザイン面と自動車のリスク提示の手法を検討し、その効果をリスク評価し、シェアードスペースの国内への適応を検討する。最終年度に当たるため、これらの研究成果の発表に努める。
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