「どちらが先か?」という時間順序知覚と、「同時かどうか?」という同時性知覚が、脳内の共通のメカニズムによって情報処理がなされているのかどうかは、これまで未解明の問題であった。一般に、事象間の時間差が小さいとき、時間順序の判断は難しくなり、それらが同時であるという知覚が生じると考えられてきた。本研究課題では、「時間順序の不確定性」と「主観的同時」が独立して生じうるかを検証するため、提示時間の異なる2つの視覚刺激を用いた実験を行った。その結果、「時間順序知覚」と「同時性知覚」が独立したシステムで情報処理されている可能性が示唆された。
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