研究課題
昨年度に引き続き、様々な培養法で効果の得られたタンパク質や化合物のターゲットのシグナル経路 について、その自己複製へ関与するメカニズムの解明を目指した研究を進めた。昨年度で得られたヒトES/iPS細胞の自己複製におけて各表現型に対応すると予測されるシグナル経路や接着様式について、実施にこれらのメカニズムが自己複製に関与しているのか、確認しメカニズム解析を進めた。これによって、ヒトES/iPS細胞の増殖に関わる代謝シグナル経路とそれを一部制御可能な化合物、細胞解離や播種時の生存に関与するメカニズムとそれを制御可能な化合物、細胞の接着メカニズムとそれを制御可能なポリマーを同定した。
2: おおむね順調に進展している
これまでに自己複製に関与すると推定したシグナル経路や代謝経路、エピジェネティック制御について解析を進めた。また、メカニズムを確定あるいは一部確定できた経路については、これらのメカニズムを制御可能と考えられる化合物やポリマーを収集し、スクリーニングを行った。これによって、ヒトES/iPS細胞の増殖に関わる代謝シグナル経路とそれを一部制御可能な化合物、細胞解離や播種時の生存に関与するメカニズムとそれを制御可能な化合物などを同定した。また、これまでに推定したES/iPS細胞の接着様式については、中和抗体や阻害剤を用いた各分子の必要性の確認や、弾性率や接触角を変化させることによる物理的特性の確認を行った。また、様々なパターンの細胞に与える影響についても調べた。これによって、ヒトES/iPS細胞の接着メカニズムとそれを制御可能なポリマーを同定した。
今年度までで得られた知見を基に、化合物を用 いて改良し、インスリンをも含まない完全化学合成培養システムを開発します。これを 複数のヒトES/iPS細胞株でテストし最適化することで、汎用性の高いスタンダードとなり得る培養システムを目指します。また、細胞の長期安定性、安全性、iPS細胞作製等の検証も行う。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
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