新規血中滞留性素子TGLを修飾した腫瘍環境応答性リポソーム型キャリアーを開発した。腫瘍微弱低pH応答性ペプチドSAPSP修飾リポソームにTGLを修飾した場合、SAPSPのpH応答性を維持しつつ表面水和性が向上した。さらにプラスミドDNA 封入することで低pHに応答した遺伝子発現を示した。腫瘍内透過型SAPSP(SAPSP-iRGD)修飾リポソームではTGL修飾によって非修飾体に比べて高い腫瘍内透過性を示すだけでなく、内封したAkt阻害剤は低pHにおいて細胞死を誘導した。これらのことから、TGLは腫瘍環境応答性キャリアーの機能を阻害せずにナノ粒子表面の改質可能な血中滞留性素子として期待される。
|