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2018 年度 実績報告書

短寿命α線医薬品製造工程における被ばくを抑制するロボティック精製・標識技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18H03548
研究機関東京大学

研究代表者

和田 洋一郎  東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (10322033)

研究分担者 小泉 憲裕  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10396765)
小木曽 公尚  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30379549)
織内 昇  福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40292586)
杉山 暁  東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (40562715)
羽場 宏光  国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, チームリーダー (60360624)
久下 裕司  北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードα線医薬品
研究実績の概要

1.短寿命α線核種の効率的な製造・精製技術の開発:本研究では、申請者らが従来開発したロボットシステムを、α線核種の製造及び精製行程に応用することによって、短寿命α線核種を安全かつ効率的に利用して医薬品開発を進める。
2.α線核種を用いた医薬品標識技術開発:医薬品開発の次のステップは、精製されたアスタチン-211のドラッグデリバリーシステムへの標識である。この標識行程を効率的に行うことは、半減期が短い短寿命α線核種を使った医薬品開発における、一つのボトルネックの解消に繋がる。また、標識を担う薬剤師、放射線技師による不要な被ばくを抑制するためにも、自動化装置の導入が有用である。
3.α線核種を高速かつ安全に精製・標識する計測制御システムの開発:精製や標識作業の高速化を実現するため、熟練研究者の目の機能を超高性能に再現する、ロボットシステムの動特性を活用した超解像処理システムと放射線測定装置などの各種センサ・化学分析装置を、作業効率に最適な形で融合したセンサフュージョンシステムを開発する。これを導入することによって、α線医薬品開発における熟練研究者の世界観を我々の超解像度ロボットビジョン技術を用いて高性能に再現することで、人間を凌駕する精緻・最適(高速・高精度)化が可能になり、創薬研究分野に大きな革新をもたらす。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.短寿命α線核種の効率的な製造・精製技術の開発:代表的な短寿命α線核種である、アスタチン-211の製造行程に着目し、短寿命α線核種の効率的な製造・精製技術の開発を行うため、αビームを照射したビスマスから、効率的にアスタチン-211を精製する工程の自動化を進めている。理化学研究所RIビームファクトリーのAVFサイクロトロンのビームラインではギガベクレル量のアスタチン-211を製造するための標的照射装置の開発を行っている。さらに、ホットラボ室で乾式蒸留法による211Atの精製装置を設置し、金属ビスマス標的から211Atを気相化学分離法によって高収率、高純度で精製する技術開発を行っている。
2.α線核種を用いた医薬品標識技術開発:ストレプトアビジンの改変体とビオチンの改変体を組合せたドラッグデリバリーシステムを用い、がん細胞へ的確にα線核種を集積させるため、自動化に適したアスタチン-211標識技術を開発している。現在までに、ビオチン改変体にN-Succinimidyl 3-Trimetylstannyl-benzonateを付加して、ズズ-ハロゲン置換反応を利用したアスタチン-211標識用のプローブを作製し、標識方法の検討を進めている。また、国内でも標識の効率を高める為、放射性ヨウ素を用いたズズ-ハロゲン置換反応の詳細な反応条件の検討を行っており、これに分担研究者の持つ放射性ヨウ素等の標識・自動化技術を加えることにより、自動化に適した標識技術を開発する。

今後の研究の推進方策

短寿命α線核種の効率的な製造・精製技術の開発、α線核種を用いた医薬品標識技術開発、α線核種を高速かつ安全に精製・標識する計測制御システムの開発の3項目について引き続き当初目標に向けた技術開発を行う。

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公開日: 2019-12-27  

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