研究課題/領域番号 |
18H03549
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荒田 純平 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40377586)
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研究分担者 |
橋爪 誠 九州大学, 先端医療イノベーションセンター, 名誉教授 (90198664)
木口 量夫 九州大学, 工学研究院, 教授 (90269548)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 医療システム / 手術ロボット / 可変剛性 |
研究実績の概要 |
現在の手術ロボットは、従来の産業ロボットと等しく高剛性であり、人間が日常的に行うような自身の筋緊張を和らげることで衝撃を吸収する「しなやか」な動作が出来ない。よって、いわば常に緊張状態で手術を続けているような状況であり、ふとした周辺組織との接触が大きな損傷を与える危険性をはらんでいる。本課題ではこの問題を解決するため、申請者がこれまでに研究を行ってきた、柔軟要素の大変形を機構に内包する柔軟メカニズムを活用し、手術ロボットに搭載可能な小型、軽量で、かつ広い可変剛性域を有する可変剛性機構モジュールを開発する。さらに、この可変剛性機構モジュールを用いて、剛と柔を手術の局面で使い分けることのできる手術ロボット・システムを構築し、動作検証する。 当該年度においては、手術ロボットを構成するための関節構造に対して、帯状弾性体を用いることで柔軟から高剛性へと特性を可変とする構造について開発し、試験的なシステムを実装、評価を行った。その結果として、一定の帯域で剛性を変化させることが出来る新型機構を開発し、その効果を明らかにすることが出来た。また、提案機構について、手術ロボットへと実装の目処を得ており、次年度ではこの実装と動作検証を予定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、関節構造について実験的にその有効性を検証し、マニピュレータとしての実装の目処を得ている。今後はマニピュレータに実装したときの特性についての検証が必要であり、予定通り研究開発は進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
関節構造の開発にあたっては、当初よりマニピュレータの実装についてより小型・軽量に行うための構造検討を重要視した。その結果、ワイヤと柔軟な外筒チューブを組み合わせた、いわゆる蛇管ワイヤが有効であることを確認し、これにより遠隔に動力源を配置したマニピュレータ実装を予定している。本実装にあたっては、研究開発の進展により探索された新たな課題として、取り組む必要がある。次年度には早急に試験システムを実装し、課題の明確化と解決を実践する予定である。
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