研究課題/領域番号 |
18H03553
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
加藤 和夫 明治大学, 理工学部, 専任教授 (80115104)
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研究分担者 |
新藤 康弘 東洋大学, 理工学部, 助教 (00553017)
井関 祐也 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00780222)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 矩形空胴共振器アプリケータ / 超音波温度計測 / 無侵襲温度計測 / ハイパーサーミア / 深部癌 |
研究実績の概要 |
当該年度の研究実施計画とその研究実績について、両者を対比しながら以下に述べる。 (1)空胴共振器加温システムの設計・試作(主担当:新藤、加藤); 次項(2)で示した手法により、新型の矩形状空胴共振器を設計した。設計した共振器の寸法は、縦70cm×横60cm×幅20cmとした。本共振器で発生する種々の共振周波数の内、目的とする深部加温に使用可能な共振モードが特定できたため、試作高周波パワーアンプの主な仕様は、可変周波数帯:200~550MHz、最大加温電力:150Wと決定し、実際に試作した。 (2)加温シミュレーションシステムの開発(主担当:井関); 現有のFEMメッシュ作成ソフトを使用して、試作装置による加温実験に使用する被加温体と試作矩形空胴共振器をモデル化した。次に、現有のFEM解析ソフトを用いて、このモデルを使用した際の加温特性を数値的にシミュレーションした。 (3)加温シミュレーションと加温実験およびそれらの比較評価を実施し、試作システムの改善を行う(主担当:新藤、加藤); 上述の手法により実施した「加温シミュレーション」と「加温実験」との比較を行った。その結果、当初の予定どおり、両者の傾向が良く一致することを確認した。ただし、詳細な誤差の検討については、次年度に再度実施することとした。 (4)サブピクセル高分解能を有する超音波無侵襲三次元温度計測システムの開発と基礎実験(主担当:井関、加藤); 加温前後の二次元超音波画像の変位量から二次元温度分布計測するための手法を開発し、寒天ファントムの加温実験を通して基礎検討を行った。具体的には、寒天ファントムではあるが、±0.5℃程度の誤差で計測できる可能性を示した。 総合評価として、本年度の研究計画を十分に実施でき、さらに次年度の研究計画に着手できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要でも述べたように、以下に示す当初の研究計画は、ほぼ順調に進展している。 (1)空胴共振器加温システムの設計・試作(主担当:新藤、加藤); 試作済みの矩形状空胴共振器(アルミニウム製)の寸法は、縦70cm×横60cm×幅20cm。試作済みの高周波パワーアンプの主な仕様は、可変周波数帯:200~550MHz、最大加温電力:150Wである。 (2)加温シミュレーションシステムの開発(主担当:井関); 現有のFEMメッシュ作成ソフトおよびFEM解析ソフトを用いて、三次元温度分布解析を実施するためのシステムおよびその環境を構築した。 (3)加温シミュレーションと加温実験およびそれらの比較評価を実施し、試作システムの改善を行う(主担当:新藤、加藤); 「加温シミュレーション」と「加温実験」との比較を行い、両者の傾向が良く一致することを確認した。ただし、詳細な誤差の検討については、再度実施することとした。 (4)サブピクセル高分解能を有する超音波無侵襲三次元温度計測システムの開発と基礎実験(主担当:井関、加藤); 寒天ファントムを対象とした、加温前後の二次元超音波画像の変位量から二次元温度分布計測するための手法を開発し、寒天ファントムの加温実験を通して基礎検討を行った。具体的には、±0.5℃程度の誤差で計測できる可能性を示した。 現在までの進捗状況としては、これまでの研究計画については、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの進捗状況で示したように、当初の研究計画は、ほぼ順調に進展しており、今後の研究の推進方策に変更はない。 2019年度の研究計画の概要を以下に述べる。 (1)前年度に試作した「矩形空胴共振器アプリケータ」を用いて、無侵襲加温実験を実施する。本試作システムの再評価の結果、改善点がある場合には、それに取り組む。 (2)上述の試作システム再評価とともに、FEM解析手法を用いた「加温シミュレーション」についての再検討を実施する。 (3)超音波画像による温度分布計測を実施するとともに、被加温体の熱定数計測実験を実施する。具体的には、動物(鳥および豚の精肉を対象)のin-vivo計測を実施することを計画している。
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