研究課題/領域番号 |
18H03562
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
昆 恵介 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (30453252)
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研究分担者 |
春名 弘一 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (00712168)
清水 新悟 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (00736390)
稲垣 潤 北海道科学大学, 工学部, 教授 (50337052)
関川 伸哉 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (60326717)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳卒中 / カーボン / 装具 / 転倒予防 |
研究実績の概要 |
国内では高齢化率上昇に伴い脳卒中患者が118万人と増加し,装具の需要が高まっているが,過疎地域においては,サービス支援が行き届きにくく,適切な装具提供と適切な装具の調整ができず,装具のメンテナンスも継続して管理できない状況にある.そのため脳卒中患者の生活様式に応じた歩行支援と壊れにくい装具の普及には至っていない.また地域で在宅患者を支援する介護スタッフ等は装具に対する理解が不足しているため,屋内での転倒事故などが問題となっている. 本研究では装具の耐久性,簡単な調整,転倒予防,歩行支援の観点から以下のことを研究期間に達成する.①メンテンスフリーなカーボン製短下肢装具の開発②介護支援者(以下,支援者)のための歩行支援評価システムの開発を行い,過疎地域の問題を解決するために開発した装具と支援者のための包括的な適合支援システムの普及を目指すことを目的とする. これまでに4節リンク構造によるカーボン装具の開発を行い,健常者および脳卒中片麻痺者を対象に三次元動作解析システムを用いた歩行実験と解析を行ってきた.結果として脳卒中片麻痺者が困難であったフォアフットロッカー(単脚支持期に踵が挙上する)を構築できることを確認することができた.また本研究で開発したカーボン製装具がなぜ,単脚支持期間中に踵を挙上することができるのかという学術的な問いをバイオメカニクスの観点から明らかにすることができた. しかしながら,開発したカーボン装具は構造上的に脆弱であり,破損の危険性が高いことから改良版のカーボン装具の開発が必要であるため,継続して開発を行っていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では広く地域の福祉施設や関係病院の対象者に本研究で開発した4節リンク構造のカーボン装具を利用してもらう予定であったが,構造上,脆弱であり,破損の恐れがあることから,改良版の再開発を余儀なくされていることが,当初計画とは違ったものとなっている.しかしながら,これまでの研究から必要な機能や仕組みを解明することができたので,シンプルな構造の装具デザインで代替できることがわかっているため概ね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
改良版プロトタイプのカーボン装具の開発が終わり,機能的に満たしているか人を対象とした実験が必要である.コロナ禍の影響を受けて,研究の進捗は思わしくなく,緊急事態宣言解除にともなって,積極的に実験をおこなっていく予定である.
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