研究課題/領域番号 |
18H03571
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤岡 穣 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70314341)
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研究分担者 |
肥田 路美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00318718)
山口 隆介 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 主任研究員 (10623556)
岩田 茂樹 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 部長補佐 (20321622)
浅見 龍介 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 課長 (30270416)
濱田 瑞美 横浜美術大学, 美術学部, 准教授 (30367148)
山田 修 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (30571723)
中島 悠太 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 准教授 (70633551)
長原 一 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 教授 (80362648)
皿井 舞 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (80392546)
鳥越 俊行 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (80416560)
大石 岳史 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80569509)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 仏像 / 様式 / 3D画像 / 人工知能 / 薬師寺 / 画像マイニング / 顔認証システム |
研究実績の概要 |
本研究は、アジア全域の仏像の顔(仏顔)に焦点をあて、そのデジタル画像、3D画像を利用し、人工知能による統計的分析、あるいは機械学習等によって様式研究を行うものである。とりわけ、グプタ様式の仏像の顔がアジア全域においてどのように受容され、展開したのか(シルクロードの系譜)、日本の仏像の顔の様式がどのように展開したのか(日本の系譜)を分析することを研究の柱としている。 平成30年度には、仏顔のデジタル画像のアーカイブ化に着手するとともに、仏顔画像のマイニング、解析にも着手している。とりわけ約1000件の仏顔画像データによる解析では、各画像をノーマライズし、そのうえでResNet50によって2048次元の位相に位置づけてコード化し、顔認証システムVGGFace2を用いた機械学習によって、徐々に興味深い結果が出ており、その成果の一端を学会発表した。なお、これらの作業は今後3年間の研究期間を通じて継続していく。 調査活動に関しては、本年度計画していた最大規模の活動として、薬師寺金堂薬師三尊、東院堂聖観音の3D計測を実施した。その調査では、あわせてデジタル画像の撮影、蛍光X線分析調査も実施し、今後の多角的な研究にも対応できるように努めた。その他、国内では福井県小浜市の正法寺半跏思惟像、正林寺半跏思惟像のデジタル画像を収集するとともに、薬師寺調査と同様、あわせて蛍光X線分析調査も実施し、技法の解明に努めた。一方、海外ではジャワにおける仏教遺跡調査、浙江省杭州における摩崖造像調査、浙江省博物館における金銅仏展調査、韓国国立中央博物館における高麗展調査等においてデジタル画像、3D画像の収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた薬師寺調査を、薬師寺のご理解、ご協力のもと実施することができた。また、上述のその他の調査の機会においても多視点画像の収集に努め、計画以上に新たな3D画像作成のための画像データが収集できた。 仏顔画像のアーカイブについては、1,000件以上のデジタル画像を整理するとともに、約500件の基準作例の画像データベースを構築しつつある。これもほぼ計画通りに進捗している。 ただし、整理した画像に属性(付帯情報)をラベル付けする作業、デジタル画像の3D化については十分に進められておらず、平成31年度以降の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き仏顔画像のアーカイブ化をすすめる。また、本年度に整理を行った50,000件の仏顔画像データに属性(付帯情報)をラベル付けすることによって、統計的分析の精度をあげていくことが不可欠である。また、デジタル画像の3Dデータ化にも取り組んでいきたい。 調査活動についても鋭意進めていくが、申請段階の予定とは順序を変え、2021年度に予定していたベトナムでの調査を2019年度に実施し、2019年度~2020年度の計画を1年ずつ繰り下げて実施する計画を立てている。
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