研究課題
研究総括となる研究報告書(論文集・史料集)をPDFで刊行した。東大寺関係では、中世後期東大寺「記録」「日記」につき、書き手の役職・階層差や記録の扱う法会・仏事に指標をおいた類型論を提示した。東大寺堂衆記録の書誌を考察し、撰者他の寺内史料との関係を論じた。春日大社関係では、法隆寺伝来の南北朝期興福寺強訴記録から、強訴費用が在地社会に負担を強いたことを明らかにし、それを受容した論理を考察した。この他、これまで様々な媒体で発表した翻刻紹介を集約し利用の便を図った。醍醐寺関係では、正月修法の大元帥法に関するバリエーションに富んだ鎌倉時代から室町後期までの4点の記録を紹介した。それを素材に「次第」と「(修法)記録」(雑記などと呼称)の違いを指摘した。東寺関係は、『東寺執行日記』の書き手の一族阿刀家の伝来史料を、作成記録だけでなく、書写による蒐書(東宝記・平家物語など)も俯瞰した整理を示した。史料紹介3本は南北朝期・室町前期の学僧の日記などである。仁和寺関係では近世前期の高僧顕證の日記の書誌研究を行った。今後本日記利用時必読の備要である。全体として、中世の記録・「日記」が大きく①日次記・家記と②それ以外の記録の2つあるという先行する知見によれば、寺社の場合②に傾斜していることなどを指摘した。従来ややもすれば①の観点から追究されていた研究情況に対して、中世の「日記」・記録の多様性を確認した。報告書の成果点検と今後の研究発展のため、本科研メンバー外の研究報告も交え第2回公開研究会を開催する(2023年5月)。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (24件) (うちオープンアクセス 20件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)
「日本中近世寺社〈記録〉論の構築」グループ編『東京大学史料編纂所研究成果報告 2022-8日本中近世寺社〈記録〉論の構築―日本の日記文化の多様性の探究とその研究資源化』
巻: - ページ: 3~28
巻: - ページ: 29~40
巻: - ページ: 41~48
巻: - ページ: 51~71
巻: - ページ: 72~96
巻: - ページ: 97~113
巻: - ページ: 114~128
巻: - ページ: 131~134
巻: - ページ: 135~141
巻: - ページ: 142~143
巻: - ページ: 144~150
巻: - ページ: 151~156
巻: - ページ: 159~167
巻: - ページ: 168~177
巻: - ページ: 178~193
巻: - ページ: 194~202
巻: - ページ: 205~220
巻: - ページ: 221~235
日本史研究
巻: 725 ページ: 20~35
東京大学史料編纂所研究紀要
巻: 33 ページ: 125-134
史学
巻: 90-2・3 ページ: 110~114
密教学
巻: 58 ページ: 1~21
興風
巻: 34 ページ: 69-98
論集室町時代の東大寺(ザ・グレイトブッダ・シンポジウム論集, 第19号)東大寺刊
巻: - ページ: 59-79
https://www.hi.u-tokyo.ac.jp/personal/endo/2018-22kaken/jisyakiroku_index.html