研究課題/領域番号 |
18H03621
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阪本 拓人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40456182)
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研究分担者 |
古城 佳子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30205398)
遠藤 貢 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70251311)
武内 進一 東京外国語大学, 現代アフリカ地域研究センター, 教授 (60450459)
福西 隆弘 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターアフリカ研究グループ, 研究グループ長 (80450526)
キハラハント 愛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10806459)
瀧川 裕貴 東北大学, 文学研究科, 准教授 (60456340)
村瀬 洋介 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (30709770)
大石 晃史 国立情報学研究所, ビッグデータ数理国際研究センター, 特任研究員 (60814944)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | グローバルガバナンス / 人間の安全保障 / ネットワーク科学 / データサイエンス / 持続可能性 |
研究実績の概要 |
2019年度前半は,複数の大学院生の研究補助のもと,グローバルガバナンスをネットワークの視角から取り扱った研究を中心に関連研究のサーベイを進めた.2019年5月に一部の研究分担者を招いて東京大学駒場キャンパスで会合を開き,大学院生RAがこうしたサーベイの途中経過を報告した.また,昨年度に続き,2019年7月に仙台,8月に神戸で勉強会を開き,複雑ネットワーク科学に関する基礎的な知識をメンバー間で共有した. こうした作業を踏まえて,年度後半には本格的な共同研究に向けた準備作業に着手した.開発援助をめぐるグローバルな協働のネットワークの構造を明らかにすることを当面の目標に定め,まず2019年11月に東京大学駒場キャンパスで全て研究メンバーを集めた会合を行い,そこでこうした方向性について報告と議論を行った.その後は大学院生のRAが中心になって,分析の対象となるデータセット(主に開発援助のフローのデータ)のサーベイ,選定,収集を進めた.年度末には研究分担者の大石と村瀬が中心となって,得られたデータの予備的分析を行い,開発援助をめぐる国際関係からいかなるネットワーク構造が抽出しうるかを検討した. 最後に,年度を通じて各メンバーとも活発に研究活動を展開し,各方面に研究業績を発信した.研究代表者について述べると,本科研のテーマに関わる持続的な平和をめぐるガバナンスに関して,国連の安全保障理事会における政策討議を記録した議事録の量的なテキスト分析を行い,平和と安全をめぐる主要国間の認識とその一致度合いの定量化を試みた.結果は方法論系学術誌の査読つき論文として発表されたほか,日本や米国,ルーマニアなど国内外の学会・研究会で報告を行い,貴重なフィードバックを得た.特に2020年1月のルーマニア出張では,研究分担者の大石と共同発表を行い.開発援助のネットワークに関する研究についても報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度以来続けてきた関連研究やデータベースのサーベイにやや時間をかけてしまったものの,共同研究の対象となるガバナンス・ネットワークを定め,本格的な分析に向けてデータの収集と予備的検討に着手できたことは大きな前進と考えている.また開発援助ネットワーク以外にも,研究メンバーによって持続的な平和と開発をめぐるガバナンスに関わる様々な研究が活発に展開されており,成果もコンスタントに発信されていることから,プロジェクト全体としての進度は概ね順調と判断される.ただし,年度末に研究分担者の海外出張が新型コロナの影響でキャンセルされるなど一部不測の事態も生じた.
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今後の研究の推進方策 |
開発援助ネットワークの研究については,引き続きメンバー間の連携を密にとりながら,データの収集を進めるとともに集めたデータを本格的に分析する作業に速やかに入る.新型コロナの流行により,対面での海外調査・研究発表・メンバー間のコミュニケーション等が大きく制約されることが予想されるが,オンラインのコミュニケーションツールを積極的に活用するなど,プロジェクトへの影響を最低限にとどめたい.
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