研究課題/領域番号 |
18H03624
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
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研究分担者 |
藤原 帰一 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90173484)
藤倉 達郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80419449)
清水 展 関西大学, 政策創造学部, 特別任用教授 (70126085)
竹中 千春 立教大学, 法学部, 教授 (40126115)
武内 進一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450459)
デスーザ ローハン 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (60767903)
高橋 徹 (拓徹) 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 助教 (90795626)
中村 沙絵 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (80751205)
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80452366)
日下 渉 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (80536590)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 新型コロナウイルス感染症 / 権威主義化 / 少数派の抑圧 / ビハール州議会選挙調査 / 惨事便乗型権威主義 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績の柱は三つある。第一が、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が各国の少数派に与えた影響の分析、第二が、大学院生を中心とした若手研究者による国際ワークショップの開催、第三が、インド・ビハール州における州議会選挙調査である。 第一については、2020年11月、2021年3月と二回にわたって、「コロナ禍・マイノリティ・民主主義」というタイトルで新型コロナウイルス感染症のパンデミックという危機がアジア・アフリカ諸国に与えた影響を分析した。本科研メンバーが各自担当する国の状況について報告し、感染症対策としての行動規制が権威主義化をさらに進めた事がわかった。 第二については、2020年5月に、2020年度「南アジア・インド洋世界研究会第1回国際ワークショップ」を実施した。大学院生が英語で研究発表を行い、議論する機会を提供した。 第三については、海外研究協力者であるシンガポール国立大学のTaberez Ahmed Neyazi博士と共同で、インド・ビハール州の州議会選挙に関し、2020年10月から11月にかけて大規模サンプル調査を実施した。ビハール州は、インド第三位の人口(1億人以上)を有する大州で、その州政治が全国政治に与えるインパクトは大きい。コロナ禍での選挙であったため、現地の調査会社を使った委託調査を行ったが、無事に実施することができた。成果は、2020年12月のThe 1st Asian Consortium of South Asian Studies(ACSAS) Webinerで発表すると同時に、Neyazi博士と共著論文の執筆を進めた。 最後に、イギリスとの共同研究に関しては、2020年4月に最終のワークショップを京都で開催する予定であったが、コロナ禍の状況を見つつ来年度に延期することになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大という予期せぬ事態が発生したため、現地調査を行う事ができず、かつ、メンバーがオンライン授業など新型コロナウイルス感染症対策で忙殺されたため(とりわけ前期)、計画通りに進展したとは言えない状況であった。その一方で、コロナ禍という新たな事態が各国のマイノリティに及ぼした影響についてはきちんと分析を行い、予定していたインド・ビハール州議会選挙調査も無事に実施できたことから研究自体は概ね進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の拡大に十分留意しながら、原則として研究計画に基づきながら実施していきたい。今年度と同様に、国内研究会の実施に加え、国内外の学会で研究発表を行いながら、同時に、イギリスとの共同研究をより発展させていきたい。現地調査が難しい状況ではあるものの、今年度のように委託調査を活用しながら、コロナ禍で起こっている変化を捉えるように努力したい。研究発表に加え、論文等の形で、成果の出版にも取り組んでいきたい。
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