研究課題/領域番号 |
18H03626
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
唐 亮 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10257743)
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研究分担者 |
菱田 雅晴 法政大学, 法学部, 教授 (00199001)
青山 瑠妙 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (20329022)
久米 郁男 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30195523)
加茂 具樹 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (30365499)
谷川 真一 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (40410568)
木村 幹 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (50253290)
高原 明生 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 教授 (80240993)
林 載桓 青山学院大学, 国際政治経済学部, 准教授 (80615237)
任 哲 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター ガバナンス研究グループ, 研究員 (90434381)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 政治エリート / ガバナンス能力 / 選抜制度 / 競争の在り方 / 派閥政治の力学 / 昇進パターン / 集団指導体制 / 昇進のスピード |
研究実績の概要 |
本研究は、実証研究、統計分析と比較研究によって、1)政治エリートの選抜制度と育成戦略はどのようなものであるか、2)政治エリート間の権力獲得競争はいかに展開され、長い競争過程を勝ち抜く条件とは何か、3)派閥政治はどのように権力競争の結果に影響を与えるのか、4)民主主義国家、競争的権威主義国家と比べれば、中国の権力獲得競争の在り方と政治エリートのガバナンス能力はいかなる特徴をもつのかといった問題を明らかにしようとするものである。 2019年度では、研究代表者と研究分担者は資料・データの収集・整理と解析、現地での聞き取り調査を行って、以下のように中間成果を纏めている。 第1に、改革開放機以降の省のトップ(党書記)に関する研究である。学歴、初任機関のランク(中央機関か地方の機関か、地方の場合どのレベルか)と分野(党務、行政、国営企業、教育研究など)の分布、昇進のスピード、人事異動のパターン、在任期間などに関し、初歩的な統計分析を行い、政治昇進のパターン化を試みた。 第2に、飛び級の昇進に関する統計分析である。一部の政治エリートはなぜスピーディな昇進を果たしてきたかについて、統計分析を試み、派閥政治との関連で要因分析を試みた。 第3に、集団指導体制に関する研究である。集団指導制度はどのような仕組みか、各段階でどのように運用されてきたか、派閥力学の変化は集団指導体制の変化にいかなる影響を与えるかについて、初歩的な分析を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データベースの整理・解析方法の確立は本研究の目的を達成するカギの1つである。今まで、本研究の目的に合わせて省のトップに関するデータベースを再構築し、初歩的な統計分析に成功した。今後、その手法を活用し、階級別、分野別のエリート研究に活用できる。 縦(改革以前と改革以降)、横(中国と日韓)の比較分析を念頭に入れ、政治エリートの選抜制度と育成戦略はどのようなももであるか、2)政治エリート間の権力獲得競争はいかに展開されているか、3)派閥政治はどのように権力競争の結果に影響を与えるかについて、初歩的な分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の重点的な取り組みは以下の通りである。 第1は、データベースを整備し、以下のような統計分析を行う。1)文革以前の省のトップに関するデータベースを整理し、改革以前と以降の異なる段階で昇進パターンと指導的な経験から見るガバナンスの能力はどのように変わってきたか。2)市と県のトップ、政治局委員に関するデータベースを整備する。県、市、省と中央の指導者はそれぞれの昇進パターンがどう違うか。
第2は派閥政治の研究は第2は派閥政治に関する研究である。1)人事権の集中はいかに派閥を党内から各組織に拡散させたか、2)派閥活動への取り締まりはどのように派閥活動に影響を与えるか、3)日本の派閥政治と比べれば、中国式の派閥政治はいかなる直を有するか。
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