研究課題/領域番号 |
18H03633
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大山 睦 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (20598825)
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研究分担者 |
清田 耕造 慶應義塾大学, 産業研究所(三田), 教授 (10306863)
児玉 直美 日本大学, 経済学部, 教授 (10573470)
神林 龍 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40326004)
島貫 智行 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (40454251)
杉原 茂 日本大学, 経済学部, 教授 (60397685)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 産業組織論 / 労働経済学 / 人的資源管理 / 経営管理 / ネットワーク分析 |
研究実績の概要 |
令和2年度は「マネジメントと組織に関する調査」を行った。この調査は郵送とオンラインによるサーベイ調査であり、日本の製造業で30人以上の従業員を雇用している事業所を対象にした。約4万事業所にサーベイ調査の協力を依頼し、約3千の事業所からサーベイの回答を得た。調査項目は、事業所におけるマネジメントプラクティスの実態、本社と支所における権限の所在、ビジネス予測、テレワークやICTの活用などである。この調査は内閣府が行なっている「組織マネジメントに関する調査」との関連が深く、両調査データを組み合わせて分析することによって、マネジメントプラクティスの時系列の変化やコロナ禍におけるマネジメントの在り方について、データを用いて定量的に明らかにすることが可能となった。 コロナ禍という状況でサーベイ調査を行うことによる困難が予測された為、令和2年度の当初予定を変更して、サーベイ調査の一部を令和3年度に行った。令和2年度の調査に協力した事業所を対象にして、令和2年度の調査と同様の調査項目についてサーベイを行った。このようなデータを収集することにより、コロナ禍におけるマネジメントプラクティスの実態を捉えることが可能となり、サーベイ回答に関するバイアスも把握できるようになった。 「マネジメントと組織に関する調査」から得られたデータを分析できるように整備し、他の研究者へ提供できる体制を築いた。マネジメントの在り方、権限の所在、ビジネス予測、テレワークやICTの活用に関するデータは、日本企業の行動を明らかにするためには必要不可欠であり、政策提言にも活用できる。このデータベースを構築したことは、学術と社会の両面で大きな意義があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度の大きな目的は、「マネジメントと組織に関する調査」を行い、マネジメントの在り方、権限の所在、ビジネス予測、テレワークやICTの活用に関するデータを収集することであった。コロナ禍でサーベイ調査の一部を令和3年度に実施することになったが、事業所レベルにおける貴重なデータベースを構築することができた。令和3年度以降にデータ分析が可能になっただけでなく、他の研究者がデータを利用できる体制を築くことができた。
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今後の研究の推進方策 |
「マネジメントと組織に関する調査」から得たデータをもとに実証分析を進める。特に、「組織マネジメントに関する調査」からのデータと接続して、パネルデータを構築する。パネルデータを用いて、サーベイから得られたデータの信頼性の検証と時系列におけるマネジメントの在り方の変化を確認する。また、テレワークやICTの活用に関するデータも収集したので、マネジメントの在り方との関係も分析する。取引ネットワークとマネジメントの関係についての実証分析は進んでおり、論文を執筆して研究成果とする。それと並行して、学会や研究会での報告を通じて研究成果の発信にも努める。
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