研究課題/領域番号 |
18H03644
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福田 亘孝 東北大学, 教育学研究科, 教授 (40415831)
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研究分担者 |
田渕 六郎 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (20285076)
吉田 千鶴 関東学院大学, 経済学部, 教授 (70339787)
山内 昌和 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (90415828)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ジェンダー関係 / 世代関係 / パネル調査 / パートナー関係 / 出生行動 / 少子高齢・人口減少社会 / 未婚化・晩婚化 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
平成31年度(令和元年)の研究実績は次のとおりである。第一に研究代表者を中心に「GGP日本委員会」を運営し、オランダ学際人口研究所、フランス国立人口研究所、マックスプランク人口学研究所が共催しパリで開かれた「GGP Council of Partners 会議」に出席し当該プロジェクトの日本における研究進捗状況について報告した。加えて、他のGGP参加国と意見交換を行い、国際比較研究のコーディネーションを行った。これにより当該研究プロジェクトの目標の一つである国際比較分析を進展させることができた。 第二に第5回「世代とジェンダー・パネル調査」を実施した。この調査は2004年から実施しているパネル調査であり、本年度の調査実施により対象者の15年間にわたるライフコースの軌跡を追跡することが可能になった。加えて、第5回「世代とジェンダー・パネル調査」のデータクリーニングを行いデータ・セットの作成を行った。これにより、来年度以降の本格的なデータ分析の準備をほぼ整えることができた。 第三に研究代表者、研究分担者、研究協力者から構成される研究会を定期的に開催しGGS調査の再分析を行うとともに他国のGGS調査の研究成果を検討し今後の分析テーマを吟味した。加えて、本研究プロジェクトの報告書の構成についても検討した。 第四に「世代とジェンダーに関する調査 2020」を実施した。この調査では第1回「世代とジェンダー・パネル調査」の調査票を基礎にして調査項目を設定し2004年と2020年の日本における世代とジェンダーに関する経年変化を分析するために横断調査として行われた。これにより約15年間に日本社会でどの様な変容が生じているかについて分析なデータを得ることができた。 第五に国内外で開催されたカンファレンスにおいて本研究プロジェクトのこれまでの中間結果を発表し各国の研究者と意見交換をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、第5回「世代とジェンダー・パネル調査」を確実に行うことが目標の一つであった。このために、第一に、プリ・テスト参加者のヒアリングに基づいて修正を重ね第5回「世代とジェンダー・パネル調査」の調査票を確定した。第二に、「GGPニューズ・レター」に第1回から第4回までの「世代とジェンダー・パネル調査」の調査協力者の居住地の変更等も把握しフォローアップ体制を万全にした。これにより第5回「世代とジェンダー・パネル調査」を目標どおりに実施できた。これにより、15年間にわたる長期のパネル・データを収集することができ、今後のデータ分析に道筋を付けることができた。加えて、「世代とジェンダーに関する調査 2020」を横断調査(Repeated Cross-Sectional Survey)として実施し、横断データと縦断データの2つのタイプを使った分析が可能になった。これにより、当該研究プロジェクトが目標とする比較分析を多面的、かつ、多角的に行うことができる。これらの点をふまえると当該研究プロジェクトはおおむね順調に伸展していると言える。 しかし、残念なことに、2010年1月以降、新型コロナウイルスの感染拡大により出張等が不可能になり、研究プロジェクトのスムーズな遂行が著しく困難になったことを付記しておく。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度の研究の推進方策は次のとおりである。第一に、第5回目の『世代とジェンダー・パネル調査』を分析を行う。分析に際しては、個人情報の保護に細心の注意をはらって行う。加えて、第1から4回までのパネル・データとの結合作業を行い、データ・セットを作成する。 第二に、第1回から5回までのJGGSパネルデータを用いた分析を行い、日本に家族形成、出生行動、世代関係などに関する研究を進め、国内外の学会で報告を行う。さらに、和文、英文での学術誌への投稿を積極に行い、研究成果の国内外への情報発信を行う。 第三に、「世代とジェンダーに関する調査 2020」のデータ・セットを作成し分析を行う。これにより、横断データと縦断データの二つのタイプのデータ分析により、世代関係とジェンダー関係についてより精緻で独創性に富んだ研究を行う。そして、これらの研究結果を報告書としてまとめ、本研究プロジェクトが明らかにした点、そして、少子高齢社会、人口減少社会に対応した社会システム構築に資する政策インプリケーションを導き出すことを目指す。 しかし、2010年1月以降の新型コロナウイルスの感染拡大により学会の年次大会やカンファレンスの中止が各国で相次ぎ、予定していた研究成果の発表機会が消滅している。このため、令和2年度に当該プロジェクトの研究成果の発表機会がどの程度、確保できるのか現時点では不透明であることも付記しておく。
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