研究課題/領域番号 |
18H03650
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 純 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40240816)
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研究分担者 |
伊藤 公雄 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (00159865)
太田 出 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (10314337)
野上 元 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (50350187)
植野 真澄 公益財団法人政治経済研究所, その他部局等, 研究員 (50446275)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 戦争観・平和観 / ミリタリー・カルチャー / 安全保障 |
研究実績の概要 |
第3年度(2021年度)後半に実施する戦争観・平和観に関する全国規模調査(本研究計画全体の主眼)の準備を、下記のように進めた。 (1) 研究代表者・研究分担者および研究協力者による計10回の定例研究会(2019年4月14日、5月26日、6月30日、8月7日、9月16日、10月22日、11月24日、12月22日、2020年1月12日、2月9日)を京都大学にて開催し、2015年・2016年に軍事・安全保障問題への関心が高い層を対象として実施した2回の意識調査の結果の分析に基づき、研究成果公開のための共著書の出版の準備を進めた。共著書の全原稿は2020年2月に完成・入稿し、吉田純編・ミリタリー・カルチャー研究会著『ミリタリー・カルチャー研究――データで読む現代日本の戦争観』として、青弓社から2020年6月に刊行予定となった。なおこの共著書は、第3年度(2021年度)後半に実施する戦争観・平和観に関する全国規模調査の調査項目の検討のための基礎となるものである。 (2) 2019年8月26日~28日、青森県の3つの自衛隊関連施設(陸上自衛隊青森駐屯地、海上自衛隊大湊地方総監部、航空自衛隊三沢基地)を訪問し、3自衛隊の広報活動担当者などの幹部自衛官からの聞き取りや、施設・装備および活動全般についての現地調査をおこなった。 (3) 先行研究の検討、上記定例研究会や現地調査で得られた知見、および既存の政府や報道機関による世論調査の結果等を総合的に精査し、今後の研究計画のための基礎となる知見を集約した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、昨2019年度(第2年度)後半に戦争観・平和観に関する意識調査の調査票原案を作成し、パイロット調査(インターネット調査)を実施する予定であったが、研究分担者の1名が不可抗力の事情のため研究への参加が困難な状態となり、その結果、調査票原案の完成には至らず、パイロット調査の実施は本2020年度(第3年度)前半にずれこむこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの準備に基づき、さらに下記の過程を経て、本年度後半に計量的全国規模調査を実施する。 (1) ミリタリー・カルチャーを構成する4つの文化的変数(文化領域)と、日本人の戦争観・平和観との関係を論じた、社会学・歴史学における先行研究の知見を引き続き集約する(研究会での文献レビュー、ゲストスピーカーを招いての研究会、国内各地の戦争博物館・平和資料館等の担当者へのインタビュー調査等による)。 (2) 上記(1)で集約した先行研究の知見、既存の政府や報道機関による世論調査、および本研究の代表者・分担者らが2015、2016および2018年に実施した軍事・安全保障問題に関する意識調査の結果等を総合的に精査し、調査項目の詳細な検討を引き続きおこなう。 (3) 上記(2)の検討に基づいて調査票原案を作成し、パイロット調査を実施する。調査方法はインターネット調査とし、調査対象者は、性別・年齢層について日本の人口構成に沿ってサンプリングした約1,000名(有効回答数)とする。その結果に基づいて質問文のワーディング等を再検討し、調査票のブラッシュアップを図る。 (4) 上記(3)でブラッシュアップされた調査票を用いて、戦争観・平和観に関する全国規模の計量的調査を実施する。調査方法は質問紙郵送方式とし、対象者は、性別・年齢層・地域・職業等の基本的属性において十分な代表性が得られるよう、層化多段抽出法によってサンプリングした約2,000名(有効回答数)とする。
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備考 |
JSPS科研費21330115「戦友会に関する総合的研究」(研究代表者:高橋由典)により作成した「戦友会データベース」も上記サイト内に移転し統合した。
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