研究課題/領域番号 |
18H03658
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10211393)
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研究分担者 |
長屋 尚典 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20625727)
三宅 登之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40259213)
パルマヒル フロリンダ 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (40813176)
根岸 雅史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50189362)
藤縄 康弘 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60253291)
秋廣 尚恵 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60724862)
ティプティエンポン コシット 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (70759208)
黒沢 直俊 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80195586)
加藤 晴子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90275818)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外国語教育 / CEFR / 多言語教育 / 言語教育資源 / シラバス構築 / 教材研究 / テスト開発 / e-learning |
研究実績の概要 |
本研究は、言語教育の学習・教授・評価の汎用枠組として世界的に影響力を持ちつつあるヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に準拠し日本の英語教育に適用するために構築されたCEFR-J(投野, 2013)を多言語学習用に機能拡張し、CEFR基盤による教育用言語資源構築のための「CEFR-J外国語教育資源整備用ワークベンチ」を開発するための基礎研究である。 すでに公開されているCEFR-J Wordlist Version 1.3(東京外国語大学投野研究室作成)から27言語に機械翻訳された語彙表翻訳結果の評価を中心に、月に1回の研究会議を持ちながら、27の地域言語専攻担当教員と連携をとりながら、語彙表・フレーズ表それぞれの(i) 機械翻訳精度、(ii) 精度の高い部分と低い部分の特定、(iii) 英語と対象言語の比較による原因特定、(iv) 原因を補正する方法、などを議論した。特に予想される (a) 1対多対応の訳語、(b)多義語の扱い、(c) 語形などの形態素単位の問題、(d) 文化的差違などの影響、(e) 機能語など文法要素の変換、などに関しては、機械翻訳と人手での作業をどのように組み合わせるのがよいか方策を練った。また多言語コーパス検索システム Sketch Engine を用いて頻度表を作成し、これらと前述の英語からの翻訳結果を対比する研究を行った。 評価によって洗い出された、CEFR RLD資源(語彙・フレーズ表)の翻訳不具合部分に関して原因を切り分け、理論言語学・応用言語学の知見を組み合わせて、人手または機械による修正がいかに可能かを検討した。多言語教育資源の活用に関する中間シンポジウムを計画していたが、これは新型コロナの流行によって、延期されることになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前半は、定期的なミーティングを持ちながら、28言語のリソースの整備を進め、また科研分担者の専門の言語に関して、英語で試作しているパフォーマンス・テストを各言語に翻訳したものを検討することを中心に研究討議を行った。最終的に英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、タイ語、インドネシア語などのテスト・サンプルを作ることができた。 年度の後半は新型コロナの影響もあり、プロジェクト会議が大幅に減少した。成果物の完成が遅延すると同時に資料収集や学会発表のための出張も行けず、一部の研究予算を繰り越さざるを得なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍で授業環境が大幅に変化し、その対応に追われる中、研究時間が制限され、所期の目的を達成するための資源構築に若干の遅れが出ている状況であるが、残りの1年(2021年度)で、28言語の語彙リスト、フレーズリストなどを整備して東京外国語大学の言語レポジトリとして公開予定である。ワークベンチとしての環境整備はすべてが完成はできない模様だが、英語のインベントリーから多言語化する方法をある程度理論化し、その多言語リソースを構築する手順と必要な言語情報(コーパスからの頻度情報、対照言語学的な情報など)をどのように組み込むことで効率化、精密化できるかを最終報告書とシンポジウムの形で提案できればと考えている。
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