研究課題/領域番号 |
18H03671
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
國府 寛司 京都大学, 理学研究科, 教授 (50202057)
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研究分担者 |
角 大輝 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40313324)
荒井 迅 中部大学, 創発学術院, 教授 (80362432)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 力学系 / 分岐 / 大域的構造 / ランダム / 時系列 |
研究実績の概要 |
研究計画に従い,2018年度から2019年度(2018年度の繰り越し分)に行った研究は以下のとおりである: 課題(LDF=Large Degrees of Freedom systems)では,國府は海外共同研究者 K. Mischaikow らと遺伝子制御ネットワークの1つの数理モデル化である switching system と呼ばれる区分的線型の結合ODE系のダイナミクスの研究を進めた.また,J. Lustro らと共同で minimal plane Couette flow の乱流状態の始まりに関する分岐理論的な結果を得た. 課題(RSV=Random and Set-Valued dynamical systems)では分担者の角はランダム複素力学系の解析的族の性質や安定性に関する結果,非自励系複素力学系のジュリア集合や非自励系反復関数系の極限集合の結果,無限等角反復関数系の結果を得た. 課題(HPS=Hybrid and Piecewise Smooth systems)では,國府は森田英俊らと共同で,歩行・走行遷移に関係するハイブリッド力学系の分岐の解析を行った. 課題(DTD=Dynamical Time-series and Data)では,國府は森田英俊らと共同で,ランダム力学系と力学系の位相計算理論を融合させる MGSTD 法を開発し,それを気象データの時系列解析に応用した. この他に,國府は Yang Li らと共同で,Bodganov-Takens 分岐の分岐解析法に関する結果を得た.また分担者の荒井は,石井豊氏と共同で開発した位相的条件と正則写像の剛性の組合せにより力学系の詳細なダイナミクスを検証する手法と,その応用としてエノン写像のエルゴード論的性質に関する新しい結果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それぞれの研究課題について活発に研究が行われ,論文の刊行や研究発表も順調に行われている.
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今後の研究の推進方策 |
それぞれの課題について,研究分担者とも緊密に協力しつつ,研究計画に沿って研究を進める.
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