研究課題/領域番号 |
18H03684
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
瀬戸 秀紀 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (60216546)
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研究分担者 |
酒井 健一 東京理科大学, 理工学部先端化学科, 准教授 (20453813)
遠藤 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (40447313)
山田 悟史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (90425603)
根本 文也 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 助教 (50615672)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 界面活性剤 / 摩擦 / トライボロジー / 中性子散乱 / 潤滑 |
研究実績の概要 |
潤滑液に添加剤を加えると、固体表面に添加剤の柔らかい膜が形成されることで固体同士の直接接触が妨げられ摩擦が低減されると考えられている。しかしながらその描像を実験的に確認した実例は極めて少ない。そこで本研究では、特に界面活性剤水溶液を潤滑液のモデル系として用い、固体表面における界面活性剤分子の秩序構造とずり応力下での運動状態を実験的に明らかにすることで、分子論的な実験事実に基づいた高潤滑機構の解明を行うことを目的としている。 今年度は主に、中性子反射率計に設置したコーンプレート型レオメータを用いて、界面活性剤溶液にずり流動を加えた際の固体界面近傍の凝集構造や粘性の変化を調べた。非イオン性界面活性剤に電荷を加えた水溶液を用い、ラメラ構造となる濃度・温度条件の下でずり速度を次第に大きくしていくと、反射率のピークシフトが不連続的に生じることが分かった。これにより、固体表面に吸着した界面活性剤にずり応力を加えることで、凝集構造が転移することが示唆された。また、電荷の有無や密度、ずり速度の増加速度を変化させて比較を行った結果、加える電荷が少量の場合にはピーク位置のシフトが観測されない等、界面活性剤の構造変化の様相が異なることが分かった。今後は実験結果をもとに、粘性の変化と構造との関連性や、潤滑作用との関連性を検討する予定である。 また、以上の研究に加えて、シランカップリング剤を用いて固体基板に表面修飾を行うことで表面の親水性を変化させて、界面活性剤水溶液の摩擦係数変化を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
J-PARC MLFの中性子反射率計SOFIAに設置したレオメータを用いて、ずり流動下での界面活性剤の表面吸着構造の測定が本格的に行えるようになり、有意義な実験結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
ずり流動下でのバルク中の界面活性剤の構造変化を測定し、中性子反射率計の測定結果と比較を行うことにより、固体表面近傍で特異的に生じる構造変化を明確にする。また、引き続きトライボメータを用いて、固体表面の親水性や界面活性剤の性質を変化させた際の摩擦係数変化を調べる。そして、これまでの結果をもとに、ずり流動下での界面活性剤水溶液の固体表面近傍における構造変化と粘性、潤滑作用との関連性を明らかにする。
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