近年、絶縁体中における新しい情報・エネルギー伝送媒体として、局在電子スピンの集団振動であるスピン波(マグノン)が大きな注目を集めている。本研究では、特殊なトポロジー・対称性を持つ「磁気スキルミオン」と呼ばれる渦状スピン構造に着目し、新しいマグノン輸送現象の実験的な開拓を行った。その結果、(1)マグノンのダイオード効果の観測、(2)フォノン(格子振動)のダイオード効果の観測、(3)新機構に由来した世界最小の直径のスキルミオンを生じる新物質の発見、(4)マグノンのホール効果の観測、といった成果を得ることに成功した。
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