研究課題
本研究は未開拓の太陽中性子観測を超小型衛星および革新的中性子・ガンマ線センサにより推進し、太陽フレアにおけるイオン加速機構の解明を目指すものである。我々が開発している超小型衛星搭載用ミッションセンサは多数のシンチレータとシリコン半導体光センサで構成され、宇宙線の反応の飛跡を3次元的に追うことが可能な構造となっている。その結果超小型衛星搭載用としてはセンサ数や信号処理数が700を超え、多くなっており、限られたスペースの中で高密に配置されている。したがって、信号処理基板を製作する前に重量や構造を模擬した構造モデル(STM)を作成し、実際に組み立て可能であるかどうかを確認した。構造確認に引き続いてフライトモデルと同等の形態をもつエンジニアリングモデル用のセンサ組み立て(棒状のプラスチックシンチレータ16本を8層に積層したものとGAGG12x12アレイセンサ)、各種電子回路基板(光センサ搭載基板、集積回路(ASIC)搭載フロントエンド回路基板、FPGAを用いたデータ処理基板、電源基板)設計および製作を終了した。現在、個々の電子回路基板の試験およびデバッグを慎重に進めている。ミッションセンサの後段に接続される衛星バス用のオンボードコンピュータについても製作を終えて、デバッグ試験を行っており、今後ミッションセンサや通信機、GPS他の周辺機器と接続したEnd-to-end試験を行う予定である。さらに昨年度に引き続いて超小型衛星を活用する人材を育成するため、民間における宇宙利用と題して大学生以上向けの2週間講習会を実施し、また一般向け講演会で本研究内容を紹介するなど普及活動に努めている。
3: やや遅れている
昨今の電子部品やその関連部材の入手困難により、設計の見直しや方針変更を迫られたことによる。また、打ち上げ機会を確保できていない状況から、衛星まで含めて全てを自前で開発するのではなく、中性子・ガンマ線ミッションセンサだけをコンポーネント開発して他の衛星に相乗り搭載する可能性も模索していることにもよる。
今後はエンジニアリングモデル(EM)の性能評価を行い、EMをフライトモデル(FM)へとブラッシュアップしていく。遅れた状況を取り戻すため、電子部品その他必要部材については可能な限り確保するとともに、マンパワーのさらなる増強に努める。打ち上げ機会の確保についてはJAXAの革新儀重津実証衛星プログラムやその他国際宇宙ステーション(ISS)上実験への搭載など引き続き模索する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 8件、 査読あり 10件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件) 備考 (3件)
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