研究課題
本研究は、40Ca近傍核の極超変形核を探索することが目的である。本年度は40Ca近傍のTi同位体鎖における変形状態の推移を研究するために、中性子過剰Ti同位体のクーロン励起実験を行った。昨年度までに本課題で開発したガンマ線トラッキング検出器及びデータ収集系を拡張し、他の研究施設からのゲルマニウム検出器と組み合わせ、HiCARIアレイを構築し、理化学研究所RIビームファクトリーで実験を実施した。光速の約70%に加速した亜鉛-70ビームの入射核破砕反応を用いて生成した天然に存在するチタン原子核である48Tiよりも中性子が過剰なチタン56ー58ビームを金標的に照射し、標的核からのクーロン力によりスピン・パリティーが2+の第一励起状態を励起した。続いて脱励起する際に放出されるガンマ線をHiCARIアレイにより測定し、その強度から断面積を求めた。クーロン励起は仮想光子の吸収と解釈できるため、その断面積に詳細釣り合いの関係を適用することで遷移確率が求まり、原子核の変形度が得られる。ガンマ線は高速で飛行するビームから放出されるため、放出角度に応じてエネルギーが変化する。ガンマ線トラッキング検出器の信号波形からガンマ線検出位置を精度よく求めるガンマ線トラッキング技術によりガンマ線放出角度を求め、エネルギーを補正することで分解能、従ってS/N比の高いエネルギースペクトルが得られた。データ解析はほぼ終了しており、現在詳細を詰めている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Physical Review Letters
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