カルシウム-40の超変形状態(第3-Jπ=0+状態)から球形状態(第1-Jπ=0+状態)へのe+e-生成崩壊を測定することで電気単極子強度を決定した。得られた値は極めて小さく、質量数50以下の原子核のなかで最も小さいものであった。球形状態、通常変形状態、超変形状態が純粋な状態ではなく、互いに混合しあっており超変形状態から球形状態への遷移を弱めあうような干渉が起きていることが分かった。さらに、カルシウム-40の核図表上右上の中性子過剰チタン同位体で変形度の推移を追跡するために56Tiおよび56Tiのクーロン励起断面積から変形度を最も直接的に反映する物理量である電気四重極遷移強度を決定した。
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