研究課題
Hダイバリオン探索実験(E42)に関しては、検出器の校正とデータ解析を進めた。Kurama Spectrometerの飛行時間と運動量の測定によってπ中間子、K中間子、陽子の粒子識別を確立し、校正用のポリエチレン標的のデータからΞ-のmissing massの明確なピークを得ることに成功した。またHyperon spectrometerについてTPCの波形データのベースライン補正、ドリフト速度とオフセットの校正、および水平方向位置の校正等を進めた結果、反応点の位置分布に標的の像が明確に現れ、TPCのdE/dxによる高い粒子識別能力を示した。さらにポリエチレン標的の陽子とπ-の不変質量分布においてΛ粒子の低バックグラウンドのピークを得ることができた。これらは両Spectrometerが正しく動作していることを示すものである。N*分光実験(E45)に関しては、2025年度に行われる見込みの実験のための準備を進めた。部分波解析のソフトウエア開発を原子力機構のS. H. Kim、米国Connecticut大学のK. Joo教授、米国ANLのT. S. Harry-Lee教授とともに開始した。まず最初の課題として1個のResonanceのみを含むモデルデータを使用し、断面積のフィットによってResonanceの質量値を導出するC++のコードを製作した。さらにE42実験からE45実験へのデータ収集系速度の向上のため、TPCの波形データ読み出しのサンプリングレートを1/2に減らしても鉛直方向の二粒子分解能はあまり影響がないことをE42実験のTPC波形データの解析により示した。さらに粒子シミュレーションによって2荷電粒子トリガーのためのホドスコープについて前方角領域に関するシンチレーションカウンターの細分化の要否について、ダブルヒットの確率の評価により、細分化は不要であることを示した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment
巻: 1047 ページ: 167775~167775
10.1016/j.nima.2022.167775