研究課題/領域番号 |
18H03717
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
児玉 忠恭 東北大学, 理学研究科, 教授 (80343101)
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研究分担者 |
海老塚 昇 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (80333300)
田中 壱 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (70374890)
小野寺 仁人 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (40778396)
小山 佑世 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (40724662)
林 将央 国立天文台, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (30583554)
本原 顕太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90343102)
矢島 秀伸 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (10756357)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 近赤外線分光装置 / 広視野観測 / 銀河形成、進化 / 星形成史 |
研究実績の概要 |
本提案は、これまでにない高い感度を持つ中分散グリズムを開発し、それを用いた分光観測を行うことによって、遠方銀河の星形成史を明らかにしようというものである。この根幹をなすのが新しい高感度グリズムの開発である。昨年度はまずLightSmyth社にてグリズムの設計とテストビースの作成を行なったが、それが仕様を満たしていたため、本年度は同社にて実機の制作を行ない完成させた。そして2019年10月から2020年1月にかけて透過率測定を行い、要求仕様を満たしていることを確認し、ハワイ観測所に移送し、2020年3月にすばる望遠鏡の観測装置MOIRCSに実装することができた。 一方、これらの新グリズムの作成と並行して、本課題と密接に関係する、すばる望遠鏡による遠方銀河の近赤外撮像及び分光観測を進めることも行い、またALMA望遠鏡により遠方銀河のガスやダストの観測を行なった。本課題で作成した新グリズムによる遠方銀河の分光観測が目指す、銀河の星形成史の解明という科学テーマと密接に関連するものである。そして2020年3月に、本グリズムを実装したすばる望遠鏡のMOIRCSによる遠方銀河の分光観測の提案を共同利用に申請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度テストピースを制作した、LightSmyth社のJおよびHバンドのグリズムについて、今年度は本発注し最終品(実機)の制作を行い成功裡に完成させることができた。また2019年10月から2020年1月にかけて透過率測定を行い、要求仕様を完全に満たしていることを確認した。そして2020年3月にすばる望遠鏡の観測装置MOIRCSに実装することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はまず完成したグリズムの試験観測をすばる望遠鏡のエンジニアリング時間を用いて行う。較正用のデータに加え、実際の星も導入して試験観測を行って、実測して性能を確認する。そしてこのグリズムを用いたすばる望遠鏡の共同利用観測観測獲得を目指し、遠方の星形成を止めたばかりと思われる銀河の深い分光観測を行う。かつてない感度の分光観測を実現し、吸収線を含めたスペクトル解析を行い、銀河の星形成史を明らかにすることを目指す。
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