研究課題
本研究は、磁化天体に普遍的な高エネルギー粒子加速機構を解明することを最終目的として、宇宙空間で生じる電磁波と粒子との間のエネルギー交換過程について究明した。目的を達成するために本研究では、【1】あらせ衛星を中心とした地球磁気圏・放射線帯領域での衛星観測データを用いた解析研究、【2】大規模計算機実験による惑星電磁圏での波動・粒子間の共鳴過程の究明、【3】WPIA機上ソフトウェアの最適化とWPIA手法の確立、をそれぞれ実施した。2022年度は課題【1】に関して、MMS衛星による観測結果にWPIAを適用して、高エネルギー電子とホイッスラーモード波動とのエネルギー交換量の評価が可能であることを示した。また、地磁気脈動の位相変化と同期してホイッスラーモード波動および高エネルギー電子フラックスが変動するイベントをあらせ衛星観測結果に見出し、相互の関係を説明するモデルを提案した。課題【2】に関して、電離圏と磁気赤道におけるプラズマ粒子の速度分布関数を厳密に満たす磁気圏プラズマの分布を求めるモデルを構築した。課題【3】に関して、本研究で構築した位相の連続性を保証する波形較正手法について論文にまとめ公表した。また、ESAの木星氷衛星探査ミッションJUICEの電波・プラズマ波動観測器RPWIに搭載するS-WPIA機上ソフトウェアについて、解析に用いる高エネルギーイオンデータの形式と解析手順について整理し、研究協力者と共有した。以上の成果は5編の学術論文ならびに32件の国内外での学会・研究会での発表として公表した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 10件)
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