| 研究課題/領域番号 |
18H03731
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
日比谷 紀之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80192714)
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| 研究分担者 |
木田 新一郎 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (50543229)
升本 順夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (60222436)
堀井 孝憲 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 主任研究員 (20600430)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 潮汐混合 / インドネシア多島海 / インドネシア通過流 / 全球気候システム / 投下式乱流計 |
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| 研究実績の概要 |
今年度は、JAMSTEC所属の研究船「白鳳丸」に乗船し(白鳳丸KH-19-2次研究航海）、インドネシア多島海内で最も顕著な乱流ホットスポットの存在することが数値実験から示されているハルマヘラ海峡を起点に、ロンボック海峡までの測線上で、深海乱流計VMP-5500による鉛直乱流強度の直接観測を実施した。この乱流観測と同時に、電気伝導度・温度・水深計 (CTD)と吊下式音響流向流速計 (LADCP) を用いた観測もあわせて行い、乱流観測時における一般流（インドネシア通過流）、潮汐流、密度成層、鉛直シアーなどの物理パラメータを詳細に調べ、これらの背景場と鉛直乱流強度との対応関係を明らにした。さらに、この鉛直乱流混合によってインドネシア通過流の水塊特性が変質していく実態も明らかにした。
同じく白鳳丸のKH-18-6次航海では、インドネシア通過流の出口にあたる南東部熱帯インド洋において表層乱流観測を実施し、水温躍層下部において混合が発達している状況を示す観測データを得ることができた。
また、インドネシア多島海内の潮汐混合がインドネシア通過流の流量に与える影響を調べるため、高解像度海洋大循環モデルOFESの感度実験を実施した。その結果、潮汐混合がインドネシア通過流の太平洋側の入り口とインド洋側の出口との間の水位差を変化させることで、インドネシア通過流量を増加させていることを定量的に明らかにした。
さらに、インドネシア多島海の潮汐変動を再現する数値モデルの妥当性を検証するため、インドネシアの潮位観測データの一部について、調和解析を利用した客観的な手法で欠測点を補間し、2008年から2018年までの時系列データの作成を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドネシア多島海内の潮汐情報調査のためにインドネシア地理空間情報局(BIG)を訪問し、各検潮所データを収集することで潮位時系列の取得を予定していたが、担当者との日程調整の都合をつけることができず、今年度は断念せざるを得なかった。
また、インドネシア多島海内での乱流観測は、本来は白鳳丸とインドネシア技術評価応用庁（BPPT）所属の研究船 Baruna Jaya Ⅳ の両方で実施する予定であったが、Baruna Jaya Ⅳ の都合により次年度に延期となってしまったため、インドネシア多島海全域をカバーする乱流観測データの取得とその解析が遅れている。現在は、2019年2－3月の白鳳丸航海によって得られた乱流観測データの解析を進めているところである。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、インドネシア多島海域における潮汐混合の定量化に向け、インドネシア多島海西部海域 (スラウェシ海・マカッサル海峡）において、現地の研究協力機関であるインドネシア技術評価応用庁（BPPT）所属の研究船 Baruna Jaya Ⅳを使用した乱流直接観測を実施する。特に、これまでの数値実験から強い乱流混合の存在が示されている海峡部においては、乱流混合強度をはじめ、インドネシア通過流、潮汐流、密度成層、鉛直シアーなどの各物理パラメータの時間変動を25時間の時系列観測を実施することによって明らかにしていく予定である。
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