研究課題
地球の歴史において最大のマグマ活動により形成した火山は巨大火成区(LIPs:Large Igneous Provinces)とよばれている。LIPsの形成案として「プルームモデル」が広く受け入れられている。プルームとはマントル内の上昇流であり,この頭部が溶融してLIPsマグマをつくり,尾部の活動がホットスポット火山列を形成するという案である。しかし,これまでにプルーム頭部が存在する明白な証拠は火山岩から検出されていない。そこでLIPsとホットスポットの火山岩を対象とした研究を行った。主な研究対象は、(1)日本から約1500km東の太平洋に存在するシャツキーLIPとそこから東と北東に延びるホットスポット列(応神ライズ海山群とパパニン海嶺)、(2)アフリカのエチオピアLIPとそこから北に点在するホットスポット列(エジプトの火山群)である。応神ライズ海山群とパパニン海嶺の研究では、原子力開発機構の即発ガンマ線分析装置を用いて、火山岩中の塩素とホウ素を定量した。エジプトの研究としては、サマルト火山群において地質調査、火山岩採取、火山岩の記載および全岩化学組成分析を行った。なお,年度当初はエチオピアLIPでの地質調査およびエチオピア人研究者の日本招へいを予定していた。しかし、内線が収束せず、令和5年度中に渡航許可が出なかった。そのため,これら研究に必要な直接経費の百万円は令和5年度へ繰り越した。令和5年度もエチオピア情勢が改善されず、渡航許可が出なかった。そこで、アジスアベハ大学から岩石試料を送ってもらい、日本で薄片制作と記載、全岩化学分析を行った。そして、協力者と連携し、その成果を国際誌へと掲載した。そして、世界最大のLIPであるオントンジャワ海台に関する研究成果を学会で発表すると共に国際誌へ掲載した。さらに、エジプトの火山に関する研究成果も国際誌へ掲載し、本研究を完了した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 8件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
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