研究課題/領域番号 |
18H03747
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩森 光 東京大学, 地震研究所, 教授 (80221795)
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研究分担者 |
横山 哲也 東京工業大学, 理学院, 教授 (00467028)
石川 晃 東京工業大学, 理学院, 准教授 (20524507)
中村 仁美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (60572659)
西澤 達治 東京工業大学, 理学院, 研究員 (80826579)
石塚 治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 首席研究員 (90356444)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 海山 / 沈み込み / 火成活動 / カムチャッカ / 日本列島 / 南米 / アフリカ / ホットスポット |
研究実績の概要 |
前年度採取した岩石試料のロシアからの輸送を行い、全岩・鉱物分析、およびデータ解析を進めた。コロナ禍のため、ロシアからの試料輸送は国際荷物便にておこなった。ロシアからの岩石輸送にあたっての輸出許可に時間がかかり、ロシア側研究者の判断で、許可の不要な個別輸送(一つ一つのパッケージを、1か月以上の間をおいて発送)した。このため、一通りの試料輸送が完了したのが2022年に入ってからであったが、到着したものから順番に分析を開始し、これまでに主成分元素組成分析および薄片作成を終了した。 また、日本列島上の火成活動に対する沈み込む海山の影響をを探るため、富士-箱根地域の火山岩の予備研究を開始した。地球化学組成データセット構築・統計解析を目的とし、効率的・高精度な分析方法を探るため、いくつかの試料について複数の処理方法を模索した。特に微量元素濃度については、主成分分析用のガラスビードをもちいたLA-ICP-MS分析の精度や確度を確認した。さらに高次元多変量統計解析の準備を開始した。日本列島に沈み込む海山のうち、茨城沖の海山列(その延長は富士山・箱根の方向に延びる)はHIMU・FOZOとよばれるホットスポット溶岩に類似するが、その組成は十分には把握されていない。将来の試料分析を想定し、類似する組成をもつアフリカ・ホットスポット火山の組成分析を行い、手法の確立とその特徴把握を進めた。 さらに、沈み込む海洋プレートの多様性とその島弧火成活動への影響を調べる一環として、チリ海嶺沈み込み地域の地下構造-火成活動・テクトニクスとの関連性を把握するため、チリ南部の三重会合点(南米プレートに、ナスカプレートと南極プレートの活動的拡大軸が沈み込む場所)周辺の地震探査を進めた。2年間の自然地震観測を終えた海底地震計合計14台の回収を、チリ研究者・チリ海軍の協力を得て行い、日本に向けての輸送作業を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍での困難さ(現地調査不可)にも関わらず、試料輸送が完了し、分析・解析を開始した。また、関連する日本列島、南米などにおける研究も開始し、交付申請の計画内容が、概ね予定どおりに進展した。
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今後の研究の推進方策 |
送付済みの試料の、より高度な分析を進めるとともに、日本列島や南米で得られるデータ解析を進める。カムチャッカ半島の火山岩に関しては、同位体分析を、日本列島の火山については、微量元素分析を主に進める。南米での地震計データについては、イベントの検出や震源決定を進め、プレート・熱構造や地震発生との関連性を調べる。
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