研究課題/領域番号 |
18H03749
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森田 昇 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30239660)
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研究分担者 |
松坂 壮太 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30334171)
比田井 洋史 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60313334)
岸 哲生 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90453828)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 特殊加工 / 光弾性 |
研究実績の概要 |
本年度は基礎-解明段階として,以下を実施した. オプティカルアナリシスベースの構築:超高速度顕微偏光計測システムを中心に、オプティカルアナリシスベースを構築した.昨年度,設計をおえ,必要部品などを購入し,構築を終える予定であったが,一部部品の納入遅れなどにより,完成が遅れていた.そのため,本年度は必要な部品などを納入し本システムを完成させた.雰囲気調整チャンバ内部に割断機をはじめ様々な加工ツールをセットし,3方向から観察が可能である. 様々な雰囲気下での亀裂進展:オプティカルアナリシスベースを活用し,様々な雰囲気下で亀裂進展や位相差を計測した.まず,単純な割断で雰囲気による影響が測定できるか確認を行った.その結果,湿度や圧力によって亀裂進展速度は大きくかわることを確認した. 応力推定メソッドの確立:昨年に引き続きで単純系の応力状態に対応する位相差像を数値解析で再現できる試みた.本年度は,様々な条件で数値解析を行った.この解析結果を実験結果と比較検討し,数値解析の妥当性を確認した. 3次元的な内部応力の推定:位相差測定では,照明光の光軸に沿って積分された位相差が計測され,3次元的に分布する内部応力は測定できない.そこで,様々な方向から位相差を計測し,ディープラーニングを用いて,位相差の内部分布を推定する方法を検討し,シミュレーションでは,正確に推定できる場合があることを確認した. さらに,結晶材料として,シリコンを対象に割断を行い,内部の亀裂進展について,観察し,割断条件と亀裂進展の違いなどについて,明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度遅れていた,オプティカルアナリシスベースの構築については,遅れを取り戻しおおむね予定通りに進行している.応力推定メソッドの確立については,その難易度から若干遅れがある.一方,前倒し使用により,来年度以後行う予定であった,応力開放プロセスの観察とその他材料への展開を始めている.そのため,全体としてはおおむね順調に進展していると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
変更なく予定通り進める予定である. 昨年に引き続き,単純系の応力状態に対応する位相差像を数値解析で再現できるようにする。位相差情報と数値解析を組み合わせることで、これまで取得不可能だった光軸に沿って変動する応力場を判定する応力推定メソッドを確立する. オプティカルアナリシスベース内での加工:ガラスの割断や切削、レーザ穴あけなどの加工をオプティカルアナリシスベース内で行い、各種データを取得する。 加工プロセス中の内部応力推定:位相差情報と確立した応力推定メソッドを適用し、プロセス中の応力状態を推定する。 ガラス中クラックの学理解明:ここまでの結果を総合的に解析し、ガラス中のクラックの発生および進展の学理を解明に着手する。動的な応力状態と高い時間分解能のクラック進展の様子を取得しているので、応力変化の挙動とその変化が起こるスピードがクラックに与える影響を検討する。
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