研究課題/領域番号 |
18H03754
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山村 和也 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60240074)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プラズマ / ダメージフリー / 形状創成 / 表面仕上げ / 難加工材料 |
研究実績の概要 |
窒化アルミニウム(AlN)セラミックスは高硬度,電気絶縁性,低熱膨張係数および高熱伝導率(アルミナの約5~7倍)などの特性を有することから,ヒートシンクやマイクロエレクトロニクス作製用の基板に適している.しかしながら,AlNセラミックスは焼結体材料であることから,従来の機械的な加工プロセスを適用した場合,AlN粒子間の結合強度が弱いため,表面から粒子が脱落する「脱粒」という現象が生じやすい.今年度はこの問題を解決するため,AlNの研磨にプラズマ援用研磨法(Plasma-assisted polishing: PAP)を適用し,研磨特性の評価を行った. AlN基板に対してArベースのCF4プラズマを照射することで,改質層としてAlF3が形成されることをXPS測定により確認した.平均粒径0.25μmのダイヤモンド粒子を含むビトリファイドボンド砥石を用い,800Paの低研磨圧力条件でPAP加工を行ったところ,ラッピング面に対してはSa表面粗さが90nmから33nmまで減少し,CMP面に対してはSa表面粗さが10nmから3nmまで減少するとともに,表面からの脱粒が無いことを確認した.また同一の研磨条件においてプラズマを照射することで研磨レートが約2倍に増加し,500 nm/hの研磨レートを得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試作したプラズマ援用研磨装置を用いた実験により、難加工機能材料のAlNに対して脱粒が生じることなく3nm Saの表面粗さを得ることに成功した.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通りに研究が進捗しており,最終年度においては研磨対象基板の大口径化,研磨レートの増加,研磨メカニズムの解明に取り組む.
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